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友2「午前中のスキー教室ん時、先生が言うてたんや…この山には『雪女の銀衣伝説』っちゅう民話があるって…」
銀衣…伝説…?
和「て、天女の羽衣みたいなもん?」
友2「ちゃうちゃう〜」
友4「昔この山に白くキラキラ光る銀色の衣着たえらいべっぴんさんがおってな…」
友3「山に足踏み入れたええ男に目ェつけて、吹雪によう似た歌声で惑わすんやて…」
友4「『ウチの衣とあんたの大事なもん取り替えてくれへんか〜〜〜』ってな…」
友3「アホな男はその銀色の衣と衣の下の白い肌に目ェが眩んで、その条件を飲んでもーてん!」
和「そ、そんで…?」
友4「男はもろた衣を風呂敷に包みながら聞いたんや…『儂の大事なもんはこの鉄砲ぐらいやけど…欲しいんはこれか?』」
友3「女は男の背後で答えた…『ちゃいます…』」
友4「そんなら銭か?」
友3「ちゃいます…」
友4「この笠か?」
友3「ちゃいます…」
友4「何なんやって聞かれた女は、素っ裸で男の背中に抱きついて…」
友3「そないな冷たいもんやありまへん…ウチが喉から手ェが出る程欲しいもんは…アンタのぬくいぬくい…」
友1.2.3.4「「「「血ィの滴る…心の臓やァ〜〜〜!!!」」」」
友3「ってな…」
ひっ
友1「ほんでその後男は死体でみつかって、風呂敷には銀色の衣やのーて雪がぎょーさん詰まってたっちゅう話や…」
え、、
和「ま、まあ、よーある昔話やね…」
友1「けどただの昔話やて思えへんねん…」
友2「この山、吹雪いたら遭難者がよー出る言うてたし…」
友1「4年前にも、これにごっつ似てる事件があったらしいし…」
友2「そやから先生、『吹雪いてきたら雪女に捕まる前にホテルに戻れ』てみんなに言うてたんやけど…」
友1「服部なんかヤバイかもしれへんなぁ…」
友2「そやねえ…結構顔イケてるし…」
へ、平次…?
友1「めっちゃ好奇心旺盛やし…」
友2「あるある…」
和「ちゃ、ちゃうもん!平次はそんな誘いにのるわけ…」
ん?友達みんなニマッと効果音がつきそうなくらいニヤニヤしてんのやけど……
なんでや??
友1「そやそや♡」
友2「アンタの平次君やったら大丈夫やわ!」
友4「賢いもん!」
あ、アンタの平次君…??
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作者名:茉優花 | 作成日時:2017年9月15日 23時