夢見た世界 5【名探偵コナン】

後の祭り ページ15

春になった




私も29歳になり、警察庁での仕事や組織の任務をこなす毎日を送っていた






この米花町は、本当に事件が多い。





刑事事件だけでなく、警察庁で隠蔽しなければならないような事件まで起きているし、毎日毎日本当にうんざりするほどだ。




やってもやっても仕事が終わらない。







そんな日々を送っていた中、あの班長の事故と私の拉致事件から時間が経ち、主人公工藤新一が高校2年生になる頃まで時は進んでいた











いよいよ、か












ジンから依頼された任務を終え、組織の使っているアジトから出ようとした時だった










「…あら、久しぶりね」








「……えぇ」









そこに居たのはシェリーだった







宮野志保







彼女も18歳になった頃だろうか。











「どうかしたの？浮かない顔して」











「…」










彼女とは何度か話をしたことがあった。








初めて会ったのは彼女が13歳の時。









宮野明美にはまだ会えていないけど、いつか、と私は思っている。




2年ほど前には赤井秀一が組織を抜けていたし、他の潜入捜査官も何人かは見つかって始末されたりしている






宮野志保とは何度か話をしたが、私はフォールとして接しているから特別仲が良くなることは無かった








私が彼女と2人きりの時でも、ずっとフォールを演じ続けていた。










それでも、彼女がいつもと違う空気を醸し出していれば、気になってしまうのは人間の性、だろうか。

それとも。










「…シェリー？」









「…お姉ちゃんが」









「？」










「…殺されたのよ」










「え」











彼女の目からは絶望の色が見えた









殺された…？









10億円のあの事件が、私の知らぬ間に始まっていて、いつの間にかジンに殺されていたというのか。








助けようって、思っていたのに。











ふと顔をあげたシェリーと目が合う









私は今、どんな顔をしているのだろうか








フォールだったら、きっと機械的な笑みを浮かべているんだろうか。




満島Aなら、無表情か、悲しそうな顔をしてしまっているだろうか。






私は今、どんな顔をシェリーに向けているのだろうか





「…ねぇ、フォール」





「…何？」






声が震える





ダメだ、バレてはいけない。




動揺も、何もかも、悟られてはいけない。





表情も、感情も、全てを隠して

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