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疑惑 ページ14

零は私を見つめ、私の言葉を待っていた





言えるわけがない。未来を知っていたなんて。







そんなこと、言えるはずがない。









「調べたいことがあってあっちの方行っただけだよ」







「調べたいこと?」






「うん。公安課の案件だからいくら零でも言えない」






「…」









嘘をついてしまった。







でも、世の中にはついていい嘘があると思うんだ







だから、許してほしい、なんて、虫が良すぎるかな。









「そうか、分かったよ」






きっと納得なんてしていないのに、零は優しく微笑んだ





ごめんね




心の中でそう謝って、零に微笑み返した







「これから帰るところか?景にも会いたいし送っていくよ」







「あ、ありがとう助かる、一応怪我人だから車運転できなくてさ」






「無理しすぎなんだよAは」








ポンと頭に置かれた大きな手は、いつもと何も変わらなかった








「零」






名前を呼べば、彼は私の方を見る






真っ直ぐな目で、真剣な顔で。







「零も、無理しすぎないで」







しばらく無言で見つめあっていると、お互い様だなと彼は笑った。








そう、お互い様なんだ







貴方も、私に、









「まぁ僕は君ほど組織から信頼されていないからね。そんなに危険な任務は直接来ないよ」







嘘をついているんだから





零にだって任務はあるし、危険なこともしているはずだ





現に私の事故も拉致もようやく今日知ったようだし。






それくらい危険な任務をしていたということ。






私が気が付かないはずがない。









「…組織の任務じゃなくてもだよ」






でも、それはきっと、私を想っての嘘


私も、貴方を想っての嘘




私たちはお互い様で、似た者同士なんだ。きっと。




烏滸がましいかもしれないけど。






だから気が付かないフリをした







「景、今日ビーフシチューって言ってたよ」



「お、じゃあ僕も食べていこうかな」



「そろそろ零の上達した料理が食べたいな」



「そ、それは…あと少し、待ってくれ…」



「期待しとく」





前回聞いた時は完全に話を逸らされたから、きっとかなり上達しているんだろう





今の私は、原作軸に突入することの不安は少なく、楽しみな未来をずっと想像していた




ここからが、悪夢のような本当の世界の、始まりだというのに。










.








.










悪は、大きく動き始めている

後の祭り→←.



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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています! (5月29日 19時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます!現在続き作成中でして、もう暫くお待ちいただけると嬉しいです!おまたせしてすみません!待っていてくださってありがとうございます!よろしくお願いします!☺︎ (5月29日 18時) (レス) id: 1cabdaa99c (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (5月28日 22時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - ツキさん» コメントありがとうございます!こちらこそ読んでくださって感謝です…!今後もよろしくお願いします!☺ (2023年4月16日 23時) (レス) @page41 id: ae03a0bece (このIDを非表示/違反報告)
ツキ(プロフ) - 忙しいなか更新を続けて下さって感謝です:;(∩´﹏`∩);: (2023年4月16日 21時) (レス) id: db867d7236 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉優花 | 作成日時:2022年11月1日 17時

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