Track：８ ページ9
【智side】
「え〜･･･ニノでしょ？」
彼女の名前は衣川A。俺の先輩の娘で俺の彼女。
「いや、絶対にニノだよ！」
彼女なのに、Aは昔みたいに『智』って呼ばないし、冷たい。
「完璧にニノだよ」
「松潤だって言ってるよ??」
「お前ら、親しい間柄だからって共闘すんなや!!」
「してねぇよ。それにそんなに親しい関係でもってねぇよ･･･なあ？」
「うん、うん」
それに最近、Aの様子がおかしい。
「あ――」
「あ、そうだ。ニノ、明日買い物に付き合って♪」
「明日、仕事。大野さんじゃダメなの？？」
「アイツと行くとえっちい下着しか買わないからさ。それにアイツすぐ脱がす」
「あ〜･･･」
「･･･ん〜･･･金曜日なら午後はオフだから」
「金曜日なら私も学校は休みだし、じゃぁ、金曜日！」
「新しい下着買ってどうすんの？大野さんに見せるわけでもねぇのにさ」
「よくわかったねぇ･･･。仕事で使うのさ･･･セクシーさはいらねぇの」
「ニノ、コイツのどこがいいのさ･･･」
「すぐにヤラせてくれる」
「ニノ、冗談は言うなや」
「ニヒッ♪」
そんなに俺のこと嫌い？？
「･･･A、大野さん嫌い？」
ん？ニノ？？
「･･･私が大野に本気じゃないって言ってるのと一緒よ」
「･･･だって、事実じゃないの？？Aが大野さんに好きだって言ったの聞いたことないけど？？」
「･･･ん･･･」
「･･･？？」
「･･･俺じゃダメ？」
「却下」
「ん〜･･･速攻･･･」
「当たり前でしょう？」
「なら翔ちゃんは？」
「嫌だ」
何でニノには普通に話すのさ･･･何で･･･。
「･･･」
俺が複雑な心境な時に限って大事件が起きる。
「･･･」
ニノが緊急入院した矢先、Aが過呼吸を起こした。
「･･･」
Aの部屋に入ったのは何年ぶりだろう･･･昔とは変わった･･･。
「･･･A･･･俺たちはどこで間違えた？」
「･･･智ぃ･･･」
「･･･俺はここにいるから･･･」
「智ぃ･･･」
「A、大丈夫････」
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作者名：ありす | 作成日時：2021年10月17日 23時
