Track：５ ページ6
「んっ･･･」
胸の奥が苦しい･･･息が上手く出来ない･･･
「やべぇ、ケータイ忘れた･･･って、Aちゃん？！」
「はぁはぁ･･･はあ！！」
「Aちゃんッ！！」
：
「･･･」
「･･･学校は、来たくなったら、でいいから」
「･･･ひょーどー」
「何だ？」
「･･･もう来なくていいから」
「･･･Aちゃん･･･」
「･･･」
俵堂は私の頭をポンと叩くと部屋を出て行った。
「･･･」
この日を境に私は学校を休み、部屋に閉じこもった。
「･･･」
「･･･冷蔵庫に入れて置いたから」
「･･･」
「･･･何か欲しいモノがあったら連絡して」
「･･･松潤」
「ん？」
「･･･ニノは？」
「･･･昨日、意識が戻ったよ」
「･･･んっ」
「･･･じゃぁ、帰るけど･･･何かあったら連絡して」
「･･･」
部屋のドアが閉まる音がすると私は顔を上げた。
「･･･」
：
「んっ･･･」
瞼を開けると、大野が私の左手を握って眠っていた。
「･･･大野･･･」
大野の頬には涙のあとがあった。
「･･･」
私は体を起こすと、涙の跡を拭った。
「･･･」
ねえ、何で私なの？大野なら私じゃなくてもよりどりみどりでしょ？
なのに、何で私なの？
「大野ッ･･･」
あの日と同じように泣いてしまった。
「んっ･･･Aちゃん･･･？」
私が鼻を啜ると大野は私の顔に手を触れた。
「･･･どうした」
「ニノの気持ち知ってたのに･･･いっつも私のことばっかりで･･･！！」
「･･･Aちゃん･･･」
「私･･･私ッ･･･」
大野は下を向くと口を開いた。
「･･･ニノが俺を好きだって知ってたよ」
「ならなんでさ･･･！！」
「･･･Aちゃんが好きだから。Aちゃんと家族になりたいからだよ･･･」
私は大野にビンタをした。
「ニノを傷付けたのは私じゃなくて智だよ！！」
「･･･」
「智のせいでニノは！！ニノは――」
その時だった。
「･･･Aちゃん？」
「気持ち悪い･･･！！」
私は部屋を飛び出した。
「あれ？Aちゃん、ゼリー･･･」
「A？！」
さらなる事件が私を待っていた。
「だから言ったのに･･･」
母さんは呆れていた。
「･･･」
「うわ、大野さんが父親って･･･」
「大野さんが結婚て･･･」
「･･･結婚はしないわよ」
大野達は「はあ？」と言う表情をし、母さんは呆れていた。
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作者名：ありす | 作成日時：2021年10月17日 23時
