Track：３ ページ4
ニノは被っていた帽子をとると 私にキスをした。
そして激しいキスをした。
：
「･･･」
昨日の今日で私は校長室に呼び出されました。
呼び出しを食らった大野と俵堂がマジで超不機嫌な顔をしていた。
「･･･Aちゃん、ニノと付き合ってたのか？だから、一昨日から様子が変だったのか？」
「･･･付き合ってない。ただの友達」
「だったら、何でコレになるんだよ！！」
「･･･ならニノに聞けや」
「Aッ！！」
「大野に、怒られる筋合いはないから！！」
校長室を飛び出した私は旧校舎の音楽室にいた。
「復帰早々、サボリか？」
顔を上げると兄貴が居た。
「･･･イギリスじゃなかったの？」
「今朝戻って来たんだよ･･･。大丈夫か？」
「大丈夫じゃない･･･」
私は両頬に伝った涙を拭いた。
「･･･A」
兄貴は私を立たせると抱き締めた。
「大丈夫だから」
兄貴はそう言うと背中をポンポンと叩いた。
「･･･兄貴」
「ん？」
「煙草臭い･･･」
「･･･悪い」
「･･･兄貴」
「何だ？」
「･･･大野とニノを怒らないで」
「･･･何でだ？普通は怒るだろ？」
「･･･お願い」
「分かった」
復帰早々、私は早引けをした。
家に帰ると玄関に松潤がしゃがんでいた。
「･･･大野さんと一緒じゃないの？」
「･･･あんなヤツ、知りません」
「･･･何？大野さんってば、Aちゃんがニノになびいたからって怒ってんの？」
思わず反応してしまった私はビックリした。
「･･･とにかく、帰ってくださいます。兄貴が帰国してるので」
「陽生さんが？！」
やべぇ･･･と思ったときには遅かった。
：
「･･･」
ニノに送ったメッセには返信がない。
「･･･はああ･･･よくAちゃんは平気だよな？？」
「たかがヤッてるだけなんだから･･･」
「さすがヤリマン」
さすがに、その言葉に傷ついた私は大野にビンタした。
「大嫌い」
：
「･･･」
いくら待ってもニノからの返事はない。
上層部に怒られて返事できないのかもしれない。
「･･･」
「いくら待ったってニノから返事はこないよ」
濡れた髪の毛を拭きながら上半身半裸の松潤が言った。
「･･･解ってます」
「なら、どうして･･･」
「･･･友達だから」
「･･･ニノはそう思っていないからAちゃんにキスしたんでしょ」
「ニノは･･･とにかく、ニノの話はしないで下さい」
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作者名：ありす | 作成日時：2021年10月17日 23時
