Track：２０ ページ21
「･･･大丈夫だよ、智」
いつもより優しい声でAは言った。
「･･･だけど！！」
するとニノが俺を制止した。
「･･･友達思いのいい子だこと」
「･･･まさか、だよ」
Aの声は優しい上に涙声だった。
「何で？何で龍太がお祖父ちゃんを殺さないけないの？高瀬財閥は龍太のものなんだよ？なのに何で･･･殺す必要あった？」
彼女の左手が震えている。
「･･･ニノ、俺に何かあったらAと子供を頼む」
「え？！」
俺は拳銃を掴んだ。
「･･･物騒なのしまって下さい」
俺の心臓が激しく音を立てる。
「部外者は黙ってろ」
「･･･俺は部外者ではありません。Aの夫です」
俺がそう言うと彼女の「あっ」という表情が鏡にうつっていた。
「妻の尻拭いを夫がしちやいけない理由ないですよね ？」
「ふざけんな！！」
「松潤ッ！！」
叫ぶと同時に俺はAを抱き締めて後ろに倒れると――
パン！！
発砲音が聞こえた。
「･･･A」
「グズンっ」と言う音が聞こえた。
「･･･もう１人の体じゃないんだよ？」
「ごめんなさい･･･」
「･･･大野さん」
顔を上げるとニノが手を差し伸べていた。
「先にAの方を」
「ああ･･･」
その日、Aは泣き疲れて眠った。
「え？！今日なの？！」
それは日付が変わって直ぐのことだった。
「嘘だろ･･･しかも２５歳･･･」
「大野さん、ロリコンじゃなくて良かったねぇ」
ふと翔ちゃんの方を見るとフリーズしていた。
「何？翔ちゃんどーたの?」
「翔ちゃん、あの子にLOVEだったんだよ」
って相葉ちゃんが言うと、今度はニノが･･･。
「んで、その欲求を解消する為に、あの甘ったるい香水の女とシケこんで」
「･･･」
俺は思わずムッとした。
「･･･大野さんがヤキモチ(笑)」
「ホントだ(笑)」
ニノが撮っていたとは知らず、後日、Aに見せていた。
「･･･な――」
名前を呼ぼうとして俺はハッとした。
彼女の愛くるしい唇に指で触れるとAが反応した。
「あ･･･」
「･･･しゃとしぃ･･･」
「･･･誕生日おめでとう」
「じゅーから聞いた･･･？」
「うん･･･」
「･･･明日･･･ちゃんと話すから」
「･･･うん」
彼女は全部話してくれた。今まで嘘を吐かれていたのにはショックだったけど。
――結婚して下さい。
――はい。
Fin...
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作者名：ありす | 作成日時：2021年10月17日 23時
