Track：１９ ページ20
スマホの画面を彼に見せると頷いた。
通話ボタンを押すと息遣いが聞こえた。
「･･･俵堂･･･？」
『はる･･･か･･･ごめん･･･俺っ･･･』
「俵堂？！何かあったの？！」
『誰かに･･･刺された･･･』
「え？！」
『助けて･･･』
「どこにいるの？！」
『３A･･･ッ』
すると電話が切れた。
「･･･ワザとか？」
開口一番に彼が口を開いた。
「･･･１００％ワザとだよ。だって俵堂は３年も担任してたんだよ。越権行為で生徒の個人情報は見れるんだからさ･･･」
「だからってやりすぎだろ？」
「･･･アイツは、何が何でも私を怒らせる気なんだから」
「･･･」
「･･･さてと、準備するか。潤、あれと車の用意してちょうだい」
「･･･うん」
「相葉、ファスナー閉めるの手伝って」
「え？！」
：
「･･･相葉」
「何ぃ？」
「･･･私が裏で何やってるか知ってる癖に何でアイツに言わない訳？」
「･･･」
すると相葉は私の手を引っ張ると顔を近付けた。
「･･･Aが好きだから」
相葉はそう言うと、私を抱き寄せ激しいキスをした。
激しいキスで呼吸するのを忘れた私は後ろからベッドに倒れた。
「･･･その顔反則」
相葉は――
「･･･相葉ちゃん」
荒い息遣いの私は声がした方を見ると４人が眉間にシワを寄せていた。
「･･･キャハ♪」
この後、シバかれたのは言うまでもない。
「･･･俵堂？」
３Aの教室に行くと誰もいなかった――と思ったら、カチッと音がした。
「･･･よぉ、悠」
俵堂が私の頭に銃口を向けていた。
「Aッ！！」
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作者名：ありす | 作成日時：2021年10月17日 23時
