【鬼滅の刃】心が読める…はずなのにな…「続・続編」

76話 【見透かされる心】 ページ4

あなたを思い出せる黄色だから…




善逸「あっ居たー！」




下から声が聞こえる




落ちないように屋根の縁に手をつき、前かがみになって庭を覗く




『善逸、良くそこから見えたね』




善逸「Aちゃんの音がするのに、姿が見えないから飛び跳ねて屋根の上見てたの、そしたら見覚えのある靴が見えたから」




『なるほどね』




善逸「そっち行っていーい？」




『いーよ』




「よいしょ」と善逸が登って来た




そして私の隣に座る




善逸「何してたの？」




私は日輪刀の事を話した




善逸「へぇー、凄いね透明な刀」




私は『うん』と刀を撫でる




『いつも皆が寝たあとに来てたの』




善逸「何で？」




『うーん…何となく、夜中の方が月が綺麗だし』




善逸「二人きりになれるから？霞柱と」




『あぁ…』




『えっ!?』と善逸を見る




何で霞柱様との事を知ってるの？




善逸「何で知ってるのって…？」




私の心を読むように善逸が言う




善逸「俺、知ってるよ…Aちゃんが此処で…」




ドンッ…！




善逸「こうやって、霞柱に押し倒された事…」




善逸が私の眼を真っ直ぐ見る




私の心を見透かすような目…




おかしい…私は感情が分かるのに、読めるのに…




今の善逸の心が読めない…




善逸「ねぇ、桃色はどういう感情の時…？」




霞柱様の言葉と善逸の言葉が被る




『えっと…』




善逸「炭治郎がこの前言ってたんだ、Aちゃんは困ると緑色の瞳になるんだって」




『緑色…？』




善逸が口を開きながら、ゆっくり私の手を上に抑える




善逸「俺と伊之助が喧嘩してるときとか、料理の案が浮かばない時とか」




『そ…そうだったんだ』




善逸「でも今は桃色…どういう意味か分かる？」




私は首を振る…恥ずかしくて言えない




善逸「俺にこうされるのが…嫌じゃないって事…」




善逸が耳元で囁く




言われた…言われてしまった…




今すぐに顔を隠したい、頬でお湯が湧けるほど熱くなってる




善逸「イヒヒ…ごめんね、意地悪し過ぎたねもうやめる」




善逸が手を離して私を起き上がらせる




私はすぐに、口隠しをおでこまであげた




善逸「あー、顔隠さないでよぉ」




『やだ…恥ずかしいよ、やっぱ嫌いこの眼…何でも見透かされる』




私は下を向いた




善逸「そんなこと言わないで、俺が世界で一番好きな眼なんだから…」




善逸に顎を持たれ、顔をあげられる

77話 【琥珀色の瞳】→←お話5

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