【stpr】Dark Strawberry Land -２-

＊７１話＊【ストラップ】 ページ24

今思えば、ジェルの言っていた「優しさの塊みたいな知人」ってなーくんの事だったんだ…




なーくん達は何故ここに居るのか、何故ここに来たのか…案内人達に対しての疑問はまだまだあるけど…




せっかくなーくんの震えが治まったんだから、また別の機会にしよう




なーくん「案内人は…皆Aの無事を望んでるよ」




『…？私の無事？』




なーくん「「(帰らせたい)」「(帰らせたくない)」とかじゃなくて…ただAが笑顔で居られることを望んでる、結局…最終的に出口の扉の鍵を、開けるか開けないかを決めるのはA次第だもん」




「周りに流されず、自分の思いを突き通してね」…そう言ってなーくんは私の頭を握っていない方の手で優しく撫でた




私の思い、それを見失ったらきっと…




私は○ぬんだ…なら




『分かった、自分の思いを大切にするね』




なーくん「うんっ…！」




なーくんをもう泣かせない…




私は心に誓った




『って事で、ここには何も無かった…！次にブランコ見せて貰っても良い？』




結局、操作室には何も無かった




なーくんは笑顔で「勿論っ！」と、また操作室の扉を開けてくれた




なーくん「実はね、このアトラクション自体にも操作パネルが付いてるんだ」




なーくんはブランコを指さしながら言う




『操作パネル？』




なーくん「うん、こっち来て」




なーくんを追いかけると、入口から見たらアトラクション裏になる所に一部鍵穴のついた扉があった




扉と言っても埋め込み式で、手のひら二つ分程しかない




なーくん「ここにあるといいね」




『うん』




なーくんが取り出した鍵、そこには小さなストラップが付いていた




『可愛い…』




なーくん「ん？あぁこれ？」




プラプラと揺れる紫色のうさぎのストラップ




『どこで買ったの？』




なーくん「これは貰い物なんだ」




『そうなんだ』




鍵を開けると、なーくんは大事そうにうさぎのストラップを見つめる




『大切な人から貰ったんだね』




なーくん「うん、皆は覚えてるか分かんないけど…」




「皆」…？複数人から貰ったってこと？




でも「覚えてるか分かんないけど」って…




どういう事なん…




ガチャ！ギギ〜ッ！




なーくん「うっ!!」




『わっ!!』




大きな音を出して開かれた扉から、大量の埃が出て来て2人揃ってモクモクと包まれた

＊７２話＊【埃】→←＊７０話＊【涙】

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