【stpr】Dark Strawberry Land -２-

＊７０話＊【涙】 ページ23

私はゆっくりなーくんに歩み寄り、震えている手を握った




『なーくんは何も悪くない、誰も悪くないんだよ…きっと、なーくんは1人で抱えちゃう性格なんだろうな…他の案内人達に相談しなかったんでしょ？』




なーくん「な、なんで分かるの？」




『だってなーくん…』ピタッ




私はそっとなーくんの目元に親指を添える




『泣いてるもん…』




なーくん「…！」




『ずっと、ずっと1人で抱え込んで辛かったね…なーくんは沢山頑張ったよ、もう我慢しなくて良いよ…』




なーくん「うっ…うぅ…あぁぁぁ…」




泣き崩れ落ちるなーくんと一緒に私もしゃがむ




そして優しく綺麗な紫髪を撫でると、ゆっくりなーくんが寄りかかってくる




こんな状況でも涙を我慢しようとするなーくんを抱きしめた




なーくん「うっ…怖かった、子供達が○ぬのが…その事に何も思わなくなってしまった仲間達が…逆らえない主様が…ずっとずっと、俺だけが怯えてて…皆狂ってきちゃって…誰も、助けてくれなかった」




「仲間達」…他の案内人の事だろう…




分からないけど、多分なーくんの言う通り他の案内人達は目の前で自分よりも小さい子達の○を前にして狂ってしまったのだろう




だから、莉犬やるぅとは○に対しての感情が殆ど無かったんだ




そして主様…なーくんは主様に逆らえない、逆らったらどうなるかは分からないけど…




でもきっと、るぅとの言っていたご褒美の事もあるし




ジェルがあんな状態になってしまったのをほっといていたり…




主様自体も相当狂ってる




周りの仲間が段々と狂っていくのを見ているなんて、どんなに辛かったか…




私は更に力を込めてなーくんを抱きしめた




『偉かったよなーくん…でも大丈夫、私が…』




ゆっくりとなーくんから身を離し、真っ赤な目のなーくんを見つめる




『私が皆を助ける…主様から解放してあげる、だから一緒にここから出よう？』




なーくん「A……ありがとう、俺…ころちゃんがAに惚れた理由凄く分かった」




『…そんなっ…』




なーくん「俺…絶対Aを帰す、今までの子達みたいにさせたくない…Aを最初に、これ以上子供達の命を奪いたくない」




『うんっ…なーくんは本当に優しいね…ころんの言う通りだ…』




今思えば、ジェルの言っていた「優しさの塊みたいな知人」ってなーくんの事だったんだ…

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