【stpr】Dark Strawberry Land -２-

＊６４話＊【スーツ】 ページ17

でも撫でる手が優しくて心地良いから黙っててあげよう




『本当にここ何もないのかな？』




あと調べてない場所…




フイッと顔を上げてころんを見る、相変わらず大きな水色のクリクリお目目と目が合う




調べてない場所…




ころん「…？どした？」




調べてない…人…




ころん「A…？ちょ…ちょっと…!?」




私は少し近付いて、ころんのスーツに軽く触れる




『これ、脱いで…？』




ころん「えっ…はぁ…!?///」




ボンッ！と効果音が付きそうなくらいに真っ赤になったころんの顔を見て、自分がとんでもない事言ってるのに気付いた




『あっ、あっ!!!違っ…そういう意味じゃ…!!!』




巨人に引っ張られたかのように慌てて後ろに下がる




『ス、スーツの上着を調べたいから…！"上着"を脱いで欲しいの…!!』




ころん「あぁ…なんだ、そういう事…」




ころんは「吃驚したぁ…」と上着を脱ぎ始めた




『ごめんなさい、反省します』




ころん「クフフッ…そんなシュンとして、可愛い」




ただでさえ恥ずかしさで穴があったら入りたいのに、ころんがそんな事言うもんだから自ら土竜になろうかと思った




私が正座で猛省していると、「ほい」ところんから上着を渡された




『ちょっと調べるね』




ころん「どうぞ〜」




めっちゃいい生地のスーツ…高そう…




裏地は水色なんだ、ボタン閉めてたから気付かなかった




襟の後ろや、袖の中などを念入りに調べていると「クフッ」と聞き覚えのある笑い声が聞こえてくる




ころん「なんかシュール」




笑顔のころんは、当たり前だけどシャツ姿




水色に白のストライプのシャツは、ころんに似合ってて少し大人っぽく見えた




ころん「ポケット見た？」




『ポケット？』




ころん「うん…表だけじゃなくて裏にもあるよ、僕なんも入れてないけどね」




一応調べておこう…




裏地をよく見ると、左胸辺りに見えにくいけどポケットがあった




指先を入れて探っていると、カサッと何かが触れた




取り出してみると、過去最高に小さく折りたたまれた紙




恒例の日記だ




『日記あった〜!!!』ポ〜イ




ころん「うわぁちょっと！投げないでよ〜！」




『あぁごめん!!』




日記を見つけた喜びのあまり、立ち上がると同時にころんの上着を天に向かってほおり投げてしまった




ころん「もう、落ち着いてるのかそうじゃないのか…僕めっちゃ振り回されてるなぁ」

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