【stpr】Dark Strawberry Land -２-

＊４９話＊【収穫】 ページ2

だから私は、ずっと笑ってるさとみを置いて操作室を出た




ーーーーー
カートの所まで戻って来て、ある事を思い出してポカンと立ち止まる




あれ？私…




ここで何も収穫して無くない？




あれ？出口の鍵は？




最低でもなんかいつもある日記は？




ないの？




あれ？




さとみ「何してんの？」




後ろからの声に顔だけ振り向いた




『さとみ、ゴーカート来る意味なかったわ』




さとみ「え？」




『だってなんにも収穫無い』




カートの鍵を、指でクルクルと回しながら歩いてくるさとみに言う




さとみ「じゃあ次のアトラクション行きます？」




『うん』と返事をしながらショルダーバッグから園内マップを探す




ゴソゴソ




……あれ？




『ない…』




さとみ「どした？」




『園内マップが…ない…！』




鏡やポーチ、スマホやタオル、今まで見つけた日記は入っているのに、園内マップが無かった




さとみ「そんな多げなさに慌てなくても…無くした？」




『うん、なんでだろ…ジェルと居た時にちゃんとしまったのにっ…』




さとみ「落ち着け、俺持ってるから持ってけば？」




さとみの言葉に顔を上げる




『本当!?』




さとみ「うんまぁ、案内人だし…ってか園内マップくらいでそんなに落ち込んで喜ぶゲスト様初めて見たわ」




私はさとみが開けてくれていたドアからカートに乗り込んだ




さとみも運転席に乗り込むと、「そこに入ってる」と指さした




指を指した先には、本物の車にもある地図等を入れる収納スペースがあった




やっぱこれカートじゃなくない？




ちょっとゴツイけど、普通に良い車…




私は収穫スペースを開けて中を覗いた




そこには私が無くした園内マップと同じものがあった




『ほんとだ…！ありがとうさと…』




さとみ「………A？どした？」




園内マップの下に、何かがあるのが見えた




『これ、またこの箱…』




前かがみになって取り出したのは、もう2回も見た事のあるあの小洒落た箱だった




莉犬と見つけたのと同じサイズ




今度は南京錠ではなくて、箱そのものにダイヤルが埋め込まれていた




さとみ「箱…メイド、俺の所にも隠してたんだ」




やっぱり隠してるのはメイドで間違いないんだ、メイドは一体何を伝えたいの？




私は園内マップを一度ショルダーバッグに入れて、箱のダイヤルを見た




クルクルと回してみると、ひとつのダイヤルに4つの数字があった

＊５０話＊【謎解き】→←＊４８話＊【並べられた鍵】

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