【stpr】愛する妹が彼氏を連れてきた【桃】【青】

8話【仲裁】 ページ9

ヤギ野郎「じゃあ我慢比べですね!!!僕も絶対に諦めませんから、いつかお兄さんに僕のことを"弟"だと思わせてみせますから!!!」




『あぁやってみろってんだ!!!当たって砕けてみろよ、ぶつかんねぇよりはマシだろ!!?』




ヤギ野郎「お兄さんこそ、振り切りすぎてオーバーヒートにならないようにお気を付けてくださいね!!?」




『あぁ当たり前だ、俺のAへの愛は無限大だからなっ!!』




ヤギ野郎「それは僕だって同じです、ですがAからの愛はお兄さんより僕の方が多い自信があります!!!」




クッソ…なんなんだこのヤギは、ああ言えばこう言いやがって…!!!




『何言ってんだてめぇバカか!?俺とAは兄妹だ、家族だ！だから、お前なんかより俺の方がAに愛されてるに決まってんだろ!!』




ヤギ野郎「お兄さんさっき僕のことを「赤の他人」って言いましたよね？つまり"赤の他人"の僕が貰ってるAからの愛は、家族間の愛とは大きさが違うんじゃないですか？」




コイツ、さっき(過去)のことをいちいち出してきやがった!!そんなみみっちい奴はAのタイプじゃねぇぞ!!




『そんな訳ねぇだろ！Aはたった1人の兄である俺のことが1番好きなんだ!!!』




ヤギ野郎「いいえ、Aが本当に好きなのは彼氏である僕です！」




『俺だ!!!』




「僕です!!!」




『俺!!!!!』




「僕!!!!!」




『俺!!!!!』




「僕!!!!!」




「俺ぇぇぇ!!!!!!!/僕ぅぅぅ!!!!!!!」









「いい加減にしなさ〜い!!!!!」









元気に動いていた口が開かなくなる、それと同時に口元に柔らかい感触を感じた




突然のことに驚くのは俺だけではなく、さっきまで目と鼻の先で言い争っていたヤギ野郎も同じようだ




キョトンと目を開く俺らの口は、白くて華奢な手が塞いでいた




ヤギ野郎とほぼ同時に手の持ち主を見る、もちろんそこにいるのはAだ




だけど、このAは俺の知らないAだ




鋭い目で俺とヤギ野郎を交互に睨み、じわじわと俺らの口を抑える手に力が篭っていく




怒ってる…あの、あの温厚なAが怒ってる




兄として妹の喜怒哀楽の行方不明になっていた"怒"が見つかって嬉しい反面、愛する妹に睨まれている怒られているこの状況が怖くてたまらない




冗談抜きで、今すぐに泣き出しそうなくらい怖い…

9話【お説教】→←7話【口喧嘩】

• 金　運: ★☆☆☆☆
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