【stpr】毎晩、私が寝ると彼氏が外出する【黄】

＊12話＊【ほうれんそう】 ページ13

あぁもう、本当何やってんだか…




ーーーーー
……気まずい




非常に気まずい




カウンターのレジの前に立つ私とその後ろに聖くん、未来がお客様のいなくなったカウンター席をクロスで拭いている




さっきまではお客様への対応をしていたから気付かなかったけど…




お客様が減った今、凄く気まずい空気が流れていることに気付いた




まだ近くに未来がいるから良いけど…




無言でコップを拭く聖くんの背中が凄く重く感じる




ポチポチ…ポチポチ…




未来「A、さっきから意味無くボタン押すのやめなさ〜い」




『あっ…』




未来の言う通り、無意識に押していたようでレジの画面には6が何個も並んでいた




未来「何があったの？」




未来がカウンター越しに前かがみになってそっと囁く




けど当人が背後にいる時に話せることではないから、無言で首を振った




未来「まぁあとで聞くわ」




私が2､3回頷くと、丁度よくお客様が来店した




ーーーーー
未来「それじゃあ聞かせてもらおうじゃないの」




『よろしくお願いします』




休憩時間、毎度の事ながら休憩室の長椅子に2人で座る




『まず言いたいのは、聖くんとは何もないから』




未来「本当〜？」




『本当！ただ話してただけ、距離が近かったのも振り返ったら思ってた以上に近かっただけだから』




未来「そう、浮気の仕返しじゃないのね？」




『する訳ないでしょ！』




全く、未来は昔から突拍子もないこと言い出すんだから…




『それよりも、相談したいことがあるの…相談というか報告？』




未来「ほうれんそう？」




『そっ、報連相』




勿論、報告したいのは昨晩のこと…




『昨日の夜、るぅとくんの外出の理由が気になったから…ずっと寝たフリをしていたの』




未来はコクコク頷きながら興味津々に私の話を聞いている




『そしたら、やっぱり夜中に起きて自室に行ったりとかして出かける準備をしてて…最後にスマホを取りに寝室に戻ってきたんだけど、その時に…』




私は自分で自分の頭を撫でた、それを見た未来は目を丸くする




未来「頭…撫でたの？」




『やっぱその反応になるよね…しかもそれだけじゃなくて、頭を撫でた後に「すぐ戻るから…今日も良い子で寝ててね…」って言っておでこにキスを…』




そう言って苦笑いする私、未来はなんてこったと言いたげに口をあんぐりと開けた

＊13話＊【会話】→←＊11話＊【誤解】

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