【stpr】依存症【青】

＊35話＊【裏切り】 ページ36

一気にそんな呑気なことを考える余裕なんてなくなった




愛音ちゃん【ころんくんはね、私の事が好きなんだよ…フフッ…馬っ鹿な男だよね…!!!】




頭を鈍器でガツンッ！と殴られたような気分だった




告白をしてくれたのだから少なからず好かれてると思っていた相手から…好きになってしまった相手から…




"馬鹿な男"と、これ以上にないくらい分かりやすい悪口を言われた




A【はぁ…？】




愛音ちゃん【だって、ちょっと誑かしただけなのに、私が廊下越しに微笑むだけで頬を染めんだよ…!!?】




『…っ！』




違う…違うよ




愛音ちゃんは…こんなこと言うような人じゃっ…！




こんな、気持ち悪い笑い声上げて人を嘲笑うようなこと言うわけない




だって…僕に、告…白してくれたんじゃん…




あの時の言葉も目も全部嘘だったの…？




愛音ちゃんと目が合って、静かに浮かれてた僕の存在を全否定するの…？




「嘘」って言ってよ…愛音ちゃん




やっと出会えたと思ったのに、僕を心から愛してくれる相手を…




一気に心がしぼんでいく、あんなに高鳴っていた桃色の鼓動は…もう愛音ちゃんを見ても絶対に打たれない




目の前の映像を見て、僕は固く思った




A【何勝手なこと言ってるの…？ころちゃんの心をどうして踏みにじるようなことするの!!?】




…A？




あぁそっか、Aは知ってくれてるんだった




僕の恋愛相談を、いつも熱心に聞いてくれてた




沢山アドバイスをくれて…沢山慰めてくれて…沢山僕に自身と元気をくれた




Aは、僕を庇ってくれてる




愛音ちゃんの裏切りで傷だらけになった僕を、Aが優しく手当してくれたように感じた




愛音ちゃん【だから言ったじゃない、私は惚れられるのが好きなの…と言っても、勿論イケメンに限るけど…ころんくん顔は良いじゃない？】




…ひどい




つくづくそう思った




A【ころちゃんの気持ちは…？ころちゃんは…あなたの事を…】




愛音ちゃん【だ〜か〜ら〜！告白してあげたわよ、私からね】




A【本当にころちゃんの事が好きで告白したの？】




愛音ちゃん【ん〜どうだろっ…まぁキープかな、あんな単純な子だもん…！私から告白すれば1発でしょっ…！】




ただ、唖然として画面を見ていた




前のめりになっていた体は縮小して、情けなく目に溜まった涙をこぼさないようにするので精一杯だった

＊36話＊【大切な人】→←＊34話＊【映像】

• 金　運: ★☆☆☆☆
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