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車に乗りこんだ頃、『相談がある』と送った俺のメッセージに知念から返信がきた。
きっと、察しの良い君は何の件であるか何となく把握しているだろう。
俺は、夜山田と何の話をすればいいのか、これからどうすればいいのか、それらを質問する為に、今朝起きた出来事を彼に説明した。
すると携帯を開いたままでいてくれたのか、彼の既読はメッセージを送るとすぐに付ついて、俺も何となくその画面を見つめたまま携帯を握り締める。
「急に呼び出してごめんね」
「いや、連絡したのは俺だし」
そして時は過ぎ、その日の昼頃。
朝、知念から返ってきた返事はアドバイスでも何でもなく、今日自分は休みだから空いたタイミングで会おうとのことだった。
彼の貴重な休みの時間を費やして貰うことになってしまい大変申し訳なく思った。
合間の時間にテレビ局の近くにある個人経営のような小さなカフェで待ち合わせをすると、時間もお昼時は過ぎたからだろうか、俺達以外の客は居らず、隅っこに置かれたテレビの音だけが空間を包んでいた。
だけど、変に静かよりは丁度いいのかもしれない。
時間も限られていることもあったし、俺はまた一通り、山田と今まであったことを説明する。
「いのちゃん……」
「知念はさ、山田の何を……知ってるの？」
ずっとずっと気になっていたこの質問。
やっと、彼に言えた。
だけど彼は伏し目がちに笑う。
「ううん、知らない。ごめんね、僕にもわからない。僕はいのちゃんが思ってるより涼介から遠い存在だよ。ただ、僕が知ってる限り、涼介は昔から恋愛に関しては不真面目なんだよ……だから、」
顔を上げた知念の瞳が哀しく揺れる。
「涼介なんて、やめなよ」
そう、だよね。
俺だって何度も思った。
俺も他人からこの話を聞けば同じように言うだろう。
多分結局は、俺の片想いから何も進展していないのだから。
「僕はいのちゃんも涼介も同じくらい大切なんだ。でも、いのちゃんが傷付く姿を見てらんない」
知念は言葉を探すようにしてゆっくりと丁寧に言葉を紡ぐ。
また彼は自分のことのように泣きそうな顔をしてくれていて、ぎゅっと胸が苦しくなった。
だけどね、馬鹿みたいって思われるかもしれないけど、付き合ったこの数日間を全て嘘だとは思いたくない。
「でも、好き、に……なっちゃったんだ、」
山田のくれた笑顔、愛、時間
何か１つくらい、信じちゃダメなのかな。
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あんこ(プロフ) - なっちさん» なっちさんコメントありがとうございます！すごく、そう言って頂けると私も胸がきゅってなります嬉しいです(´；ω；｀)少し悲しいお話ですが、きっと2人にとって大切な時間だったと思います...。 (2018年12月31日 12時) (
レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 胸がぎゅっと痛くなりました。涙が出ます（泣） (2018年12月30日 2時) (レス) id: a01bbaa610 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - kei622kazumi121さん» ご感想ありがとうございます(´；ω；｀)悲恋ですが、この山田さんと伊野尾さんは自分の決断に悔いなく前を向いて進んでいくかと思います……！今のところ続きは皆様の脳内におまかせするつもりですが、何かきっかけがあれば是非〜！ (2018年2月2日 13時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
kei622kazumi121(プロフ) - 完結お疲れ様です。この作品を読んですごく泣いてしまいました。やまいのはベタベタ系をたくさん読んでいたのでこの結末は予想していませんでした。悲恋は泣けます……このお話の続編があればうれしいです。…… (2018年2月1日 23時) (レス) id: 04bc14a5ea (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - りこさん» りこさんはじめまして！コメントありがとうございます〜！そしてご感想まで(´；ω；｀)そう言っていだだけると凄く嬉しいです！全く違うように見えるけどどこか似ている、そんなやまいのでした。他の作品でも引き続き応援頂けますと嬉しいです！ (2018年1月26日 9時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ
| 作成日時：2017年12月19日 14時
