16 yt ページ16
.
可愛らしい瞳に涙をいっぱい浮かべながら俺の家から逃げ出したいのちゃんの後ろ姿をぼぅっと見つめる。
バタンとドアが閉まれば、そこには静寂が訪れた。
後悔はない。
あの日の言葉に嘘はなかった。
俺は何年も前からいのちゃんが好きだった。
彼をただの仕事仲間と見れなくなったのはいつの事だったかなんてわからない程に。
彼が好きだと気づいた甘酸っぱい恋心は、何も知らず俺を呼ぶ甘い声やふと見せる可愛らしい笑顔、そしてスキンシップとして触れてくる彼の温もり。
何気無い彼の仕草がどんどんとその感情を苦しみへ変えていった。
まあ、俺が本人に気持ちを伝えようとしてないんだから当たり前なんだけどね。
そう頭のどこかで理解はしているものの、俺の中にはどんどん黒いものが渦巻いていった。
俺は馬鹿じゃないから、想いを伝えたところで彼と結ばれる運命がないことはわかっていたし。
だけど俺のことなんか眼中に無い君を振り向かせたくて。
あの日、他の方法でいのちゃんの頭の中を俺でいっぱいにしようと思ったんだ。
いのちゃんを抱いた日。
何度も夢見た彼の綺麗な身体を俺が汚していくということに快感を覚えた。
その涙も怯えた顔も、俺がさせているということにとてつもない高揚を感じさせる。
とても美しかったということを数日経った今も、鮮明に覚えていた。
いのちゃんは優しいから、俺が何かの間違いであんな事をしたと勝手に解釈して俺を許してくることは予め容易に想像が出来たから。
俺はその日の行為を映像に残し、脅しの材料にした。
彼の俺に対する絶望はひしひしと伝わってきた。
それからもスタジオで顔を合わせる度に、俺を視界に入れないようにしていることやいちいち俺の動作にビクついていることもすぐ気づいた。
ずっといのちゃんを見てきたんだから、小さな彼の変化にもすぐ気づけた。
その振る舞いは、俺の存在をを全身で意識しているということで。
顔が綻ぶのを隠せない。
ここまでは、計算通りだった。
俺の心は幸せで満ち溢れていた。
なのに暫くすると
予定外の場面を目にする事が増えたんだ。
.
638人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 時雨さん» 初めまして!コメントありがとうございます(´;ω;`)そして凄く嬉しいお言葉も……、ありがとうございます!!もうほんと私の性癖(?)でまくりの作品でしたが楽しんで頂けたのならとても嬉しいです!!引き続きよろしくお願い致しますー! (2017年11月16日 8時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます! お疲れ様でした。あんこさんの文体というか、表現の仕方が私的どストライクで、この作品ほんとに大好きです!! 三人の設定もほんとに好きでした……素敵な作品をありがとうございました! (2017年11月14日 0時) (レス) id: dcd1a2d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございます(´;ω;`)もっとドキドキして貰えるような展開でいけるよう頑張りますので引き続きよろしくお願い致します!楽しみにして頂けて嬉しい限りです! (2017年10月23日 19時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 更新を楽しみにしてます。まさかの展開にドキドキしてますよ(^ω^)山田さんはどうなるのかな?とか楽しみに待ってます! (2017年10月23日 13時) (レス) id: ec3abc1ac2 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 泡雪さん» コメントありがとうございます(´;ω;`)他作品も読んで頂けたとは、大変嬉しいです!!応援のお言葉ありがとうございます!流れを止めないように頑張りますので引き続きよろしくお願い致します! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんこ | 作成日時:2017年10月7日 0時