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息がデキナイ。前がミエナイ。





人間、こんなことが本当に起こるんだって思った。

別に拘束されてるわけでもないのに。








サムイ。アツイ。コワイ。





背中に壁があたった。

どうやらもうこれ以上は後ろに下がれないらしい。









「…いのちゃん」




返事の代わりにひゅっと喉がなった。
そんな明らかに恐怖している俺を見て、ゆっくりと微笑む裕翔。







「逃げられるとでも思ってるの?」






自分を落ち着かせてやっと見ることが出来た裕翔は、冷ややかにしゃがみこむ俺を見下ろしていた。






「…るな、」



「へ?」



「こ、っちくんなっつってんだよ!!」






軽い癇癪を起こす俺を余裕こいた顔で見つめながら、ひらひらと動かす裕翔の手には、1枚のディスク。









「そんなこと言って…。コレ。メンバーとか共演者の人たちとかに渡しちゃってもいいの?」









「なん…だよそれ」






睨みつけるようにして見れば、裕翔はいつもの笑顔でにこっと笑った。







「あー、そういえば言ってなかったっけ。昨日の事実、全てこのディスクに残ってるから」




「な…っ!隠し撮りしてたってことかよ!?」





そしてその笑顔とは逆に、俺を安心させない言葉。


…俺は昨日、裕翔に無理矢理抱かれた。

レ イプというものがこんなに身近におこることだとは思わなかった。
しかも自分に。
ましてや男相手に。


俺は何度も嫌だと言った。
身をよじった。

だけど、いくら涙を流して懇願しても、君が止まることはなく、ただ俺は君の快楽を得る為の道具として扱われるばかり。

痛いと言っても。
やめてと言っても。
獣のようになんてよく言うけれど、行為に没頭する君に俺の声は届いていないようだった。




「んな…っ!ダメに決まって…!」









その翌日。
俺は行為の後がしっかりと残る中、目を覚ます。
昨夜は気絶したのだろうか。
頭が少しぼーっとする。







「おはよういのちゃん」








俺の頭を撫で、いつものように笑う君に俺は絶望した。
もしかしたら俺は心のどこかで、裕翔が次の日には必死に謝ってくれるのを期待していたのかもしれない。

どうにかしてこの場所から逃げ出したくて、俺はベッドから脱走した。


…結局は今のように壁に追い詰められてしまったけれど。

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あんこ(プロフ) - 時雨さん» 初めまして!コメントありがとうございます(´;ω;`)そして凄く嬉しいお言葉も……、ありがとうございます!!もうほんと私の性癖(?)でまくりの作品でしたが楽しんで頂けたのならとても嬉しいです!!引き続きよろしくお願い致しますー! (2017年11月16日 8時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます! お疲れ様でした。あんこさんの文体というか、表現の仕方が私的どストライクで、この作品ほんとに大好きです!! 三人の設定もほんとに好きでした……素敵な作品をありがとうございました! (2017年11月14日 0時) (レス) id: dcd1a2d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございます(´;ω;`)もっとドキドキして貰えるような展開でいけるよう頑張りますので引き続きよろしくお願い致します!楽しみにして頂けて嬉しい限りです! (2017年10月23日 19時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 更新を楽しみにしてます。まさかの展開にドキドキしてますよ(^ω^)山田さんはどうなるのかな?とか楽しみに待ってます! (2017年10月23日 13時) (レス) id: ec3abc1ac2 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 泡雪さん» コメントありがとうございます(´;ω;`)他作品も読んで頂けたとは、大変嬉しいです!!応援のお言葉ありがとうございます!流れを止めないように頑張りますので引き続きよろしくお願い致します! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作成日時:2017年10月7日 0時

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