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「は！？裕翔、どういうことだよ！？」
「帰っちゃうの！？」
夏休みの終わりまで、あと2週間あった。
本当なら俺だって宿題が終わってないだ、始業式が憂鬱だ、そんな事で騒ぎたかった。
いや、騒ぐつもりだった。
だけど、そんな日を迎えることなく、俺はこの島から姿を消す事になる。
心にぽっかりと穴が開いてしまったような気分だった。
次の日、いつも通り友達と集まったお昼時。
俺はおはようの挨拶と共に”別れ”を口にした。
勿論、その中にはいのちゃんもいた。
なんでそんな冷静で居られるんだと少し怒り気味に言葉を投げ捨てた友達に、俺だってこの気持ちをどう処理していいかわからないと八つ当たりしそうになって飲み込む。
違う、それは間違っていると、少しだけ残った理性が静止してくれた。
『良かったわね。裕翔、東京に帰りたがっていたものね』
未だ脳内に残る母の声。
『…裕翔はこの島のこと、好きになった？』
『……うん。好きになったよ』
それと同時に流れ込む、あの日のいのちゃんとの会話。
島を嫌がっている姿が親の印象に張り付いてしまった故に気を使わせてしまったのか、それともただ単純に父の仕事が早く片付いてしまったのか。
真相はわからない。
島から出る事を聞いた事。
その事実を告げられた時点で、ドラマの様に思考が固まり、何も聞けなかった。
東京を出る時も考えた。
結局、高校生なんてまだまだ子供なんだ。
小学生は親に甘えることが出来るし、大人は自分で判断出来る。
そうだとしたら、この『高校生』という宙に浮いたような間の期間が、随分と不利に感じた。
このもどかしさに、早く大人になりたいと心の底から思った。
「…俺、この島に来れて良かった。楽しかったよ。みんなに会えて良かった」
「なんだよ、やめろよ…」
だけど、これが本心で。
このマイナスな気持ちだけで締め括りたくないと思ってしまう程に、この島での生活は楽しかった。
きっと以前なら恥ずかしくて口に出来なかったであろう感謝も、素直に口にすることが出来る。
ありがとう。
俺はみんなが辛そうな顔をしてくれるだけで本当に充分だから、その分、俺は笑うよ。
「ゆうと、」
そんな時、状況に不釣り合いな笑顔の所為か気まずくなった空気の中で、ひっそりといのちゃんの声が聞こえた気がした。
だけど俺は…、いのちゃんの方へ顔を向けることが出来なかった。
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あんこ(プロフ) - ユリアさん» ユリアさん！ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ＾∀＾ﾟ)ﾟ｡時間かかってしまいすみませんでした！是非、ゆといの楽しんで頂けると嬉しいです！！ (2018年9月30日 12時) (
レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - あんこさん、完結おめでとうございます！遅くなってすみません。まだ最後まで読んでいないのでゆっくり読もうと思います！新作はやまいのですね！やったーー(*´ω｀*)嬉しいです。新作の方も楽しみにしてます！ (2018年9月30日 0時) (レス) id: 5d6e48b7e5 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - めめさん» ありがとうございます！！1番しっとりした作品にするつもりです。見守って頂けますと幸いです。よろしくお願いします！ (2018年9月15日 23時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - すごくしっとりしたこのお話の世界観が好きです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 22時) (レス) id: edc3e92603 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 佐々木さん» 佐々木さんコメントありがとうございます(/*´ `)/いやむしろドキドキ初挑戦中です(笑)ytin.....頑張りたい！！！(笑) (2018年7月3日 22時) (レス) id: 3a4575744a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ
| 作成日時：2018年6月16日 22時
