日常38 ページ42
『…え?』
暖かい。
ただ、そう思った。
『もう、いっそのこと消えてしまおうか』
黒「…お前だって、日の当たる、暖かい、優しい場所で生きる資格はあると思うぞ」
『…でも…どこにその場所がある?私は行き方がわかんない』
黒「迷子になったら、俺が案内してやるよ。初めて会った時も、そうだったように」
『でも…はぐれたら?』
黒「俺が見つけてやる」
『………(グス』
黒「どんな時でもお前の事を離さない。今までお前にあったことの辛さはお前にしかわからない。だけど、頑張りなら俺にだって理解出来る。今まで一人でよく頑張ってきたな。だからもうこれ以上頑張れなんて俺は言わない」
こんな人は初めてだ。いつもがんばれと。そういわれてきたんだ。
黒「今の俺にはAが必要だ」
私は今、独りじゃない?
黒「だから、生きろ」
そう言って私を強く強く抱きしめる。
そう、迷子みたいに泣きじゃくる私と、その迷子をあやす大人みたいな。
二人の温かさを感じられて、とてもうれしかった。
安心できた。
一度は触れてみたかったその温度に、たった今。
仔猫がしがみ付いている。
小さな手で。
それでも必死に。
『…ありがとう』
黒「話してくれてこっちこそありがとうな。これからも、何かあったら話してくれ」
『ありがとう。その…』
黒「ん?」
『私クロの事、嫌いじゃない』
それだけ言って私は医務室を飛び出す。
なんだ今の言い方は!
これじゃ伝えたい気持ちも伝わらねぇよ!
でも、私。
少し大人に近づけただろうか。
ありがとう黒尾。
好きです。
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高嶺紺(プロフ) - もかさん» ですよね…書くときに考えたんですが、夢主ちゃん想像がちょっと他の人よりもずれているので、黒尾が枕ではなく本物のパン(パニーニ)に挟まれている姿を思い浮かられるかな?と過信して書きました。でもやっぱりちょい怖いですね笑 コメントありがとうございます! (2019年1月7日 17時) (レス) id: 48321b2d0a (このIDを非表示/違反報告)
もか(プロフ) - 夢主ちゃんは黒尾と初対面でのあだ名にパニーニ トサカというワードが入っていますが、パニーニは日常14でやっとわかると思います。寝てる体制がパニーニみたいなのでパニーニと呼ばれているので初対面の時点で知っているのは怖いです。 (2019年1月7日 17時) (レス) id: 59d8b529ea (このIDを非表示/違反報告)
高嶺紺(プロフ) - 蜂の巣さん» なおさせていただきました!ありがとうございます。 (2018年12月26日 16時) (レス) id: 3bd0552c57 (このIDを非表示/違反報告)
蜂の巣 - 【日常44】の「赤葦君の方が私より『年上」だった〜』ではなく「私より『年下』だった〜」と思います。 (2018年12月26日 0時) (携帯から) (レス) id: d5ccda77cf (このIDを非表示/違反報告)
蜂の巣 - 【日常43】夢主のセリフで「なんだよ『そ』の髪の毛は〜」が「なんだよ『し』の髪の毛は〜」になってます。 (2018年12月26日 0時) (携帯から) (レス) id: d5ccda77cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高嶺紺 | 作成日時:2016年12月31日 19時