狼夫と仔猫妻。2【黒尾鉄朗】

日常35 ページ1

-黒尾side-





「さ、話し合いも終わったことだし、プリン、完食しちゃえば？」

『あー…どうしようかな』






こいつ今なんて言ったか。


どうしようかなって言ったよな？？








「え、何、お前どうしたの、明日槍降らしたいの？」

『黒尾の中で私のイメージはどうなってるのねぇ』

「あ、いや…何時もなら喜んで食うのになぁと思って…」

『…食べたい気持ちは山々なんだけどさ…』




Aは少々苦笑い気味に言った。








『最近ちょっと太ったんだよね…』






太ったんだよね


太った？



hutotta？







俺は即座にAの体をペタペタ触る。




『何やってんの変態、おい、やめろ…ッ』




Aに思い切り叩かれたのでやめた。

まぁパワー0の攻撃はそこまで痛く無いのだが、これ以上行くと言葉で精神を傷つけられる気がした。




「えッ、どこが」

『数字がッ！』

「何キロ」

『言う訳なく無い？』





見た感じも全然変わらない。

っていうか見てると折れそうで心配になるくらい。




「ねぇ何キロなの」

『だから言う訳なく無い？』

「俺も社会人になって太ってるから」

『あんたのは多分憎たらしく伸びた身長分のやつと筋肉だと思う』

「確かに」

『…私背、伸びてないから…』




無言で手を合わせると、フザケンナと俺を軽く蹴るA。





「で、何キロなの」

『お前も大概しつこいな』

諦めたのかため息をついて小さな声で言う。

『…3キロ』

「3キロッ！？」

『ちゃー！43キロ！』




43って…

俺の(まぁ多少違うけど)二分の一くらい？！




「死ぬぞッ」

『生きてるわ』

「いやぁ、悪いことは言わないからやめておけ倒れるぞ」

『だあってさぁ！この間まで41キロから42キロをうろうろしてたんだよ？それなのにサァ…』

「それ絶対栄養足りてねぇって…」

『私太って見える体型だからそれくらいがベストだったの！』

「いやいやいや！本当に、むしろ今の体重でも危ういって！」

『うるさいなァ…』

「だまらっしゃい思春期！」

そう言って何故かAを抱き寄せる俺←






「ん？」






『なにさ』

俺のみぞおちの辺りに今までよりずっと強く主張する、柔らかい何か…









「なあ、胸でかくなった？ 」


この後近所に断末魔の叫び声が響いた。

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