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首輪が三十六 ページ41

Aは家に帰るとすぐに寝台で眠ってしまった。
オートモードは体力の消費とともに精神的消費も激しいらしく、オートモードの後Aは必ず悲しそうな顔をする。

そんな顔を君にさせたい訳じゃないんだ。
あの時、自分ではとても冷静に対応したつもりでいた。でも今考えれば全然冷静なんかじゃなくて。
もしかしたら私は死ぬのが怖いのかもしれない、そう思うくらいに性急に命令を下した。

「ごめんね……」

Aがそんな事を云って欲しいのではない事は分かっている。
でも云わずにはいられないのだ。君は私の恋人だから。恋人を傷つける事なんてあっていいはずか無いのだよ。

其の時電話が鳴った。中也から、そう分かると取らない訳にもいかなくて、仕方なく電話を取った。

「何?」
「あ? 手前が落ち込んでると思って電話してやったんだろうが」
「余計なお世話だよ」
「はっ、どうだかな。手前が辛気臭ェ顔してやがるとAも調子でねェんだ。Aの前で辛気臭ェ顔すンじゃねェぞ」
「……中也の癖にムカつく」
「あ? どう云う意味だ手前!」
「本当、君は鋭いんだか鈍いんだか。じゃあ私はAを可愛がりたいから切るよ」
「勝手にしろ惚気野郎!」

電話を切ってから自分の顔に笑みが浮かぶのが分かった。
Aは私には支配されている。私が正しいと云えば正しいと思い込む程の忠誠心だ。
私が其れを信じてやらなくてどうする。
相棒と云うのは側にいるのは嫌だけれど、結構必要な存在なのかもしれないね。

Aの隣に枕を並べて、私も眠りについた。

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滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか? (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします! (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:徒長 | 作成日時:2017年7月8日 20時

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