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首輪が二つ ページ2

「誰だ⁉」
「あ? 人に名前聞くンなら自分から名乗りやがれ‼」

そう云って中也が男を吹き飛ばす。
自分で聞いたくせに、其れじゃあ名乗れないじゃないか。ま、如何でも良いけど。

「ねー中也ー、私帰っても良い?」
「はァ⁉ 巫山戯んな!」
「でも私、此処まで結構頑張ったしー。後は中也だけで充分でしょ?」
「そりゃまァ、そうだが……」
「私が無意味に此処に居るよりも、先帰って報告して来た方が早いんじゃないの?」
「……そうだな」

中也ってホント単純。私が中也の分の報告までする訳ないでしょ。

「じゃあ先帰ってるからね。行くよA」
「はいご主人さま」
「待て‼ そう簡単に帰す訳ねーだろ。特にA、おれをこけにしたツケ、たっぷり払って貰おうじゃねーか」

立ちはだかるぼろぼろの男。正直状況を見て云って貰いたいね。

「手前、この状況見て其れ云ってんのか?」

流石に呆れた、と言わんばかりの表情をする中也。中也に呆れられるなんて可哀想に。

「五月蝿え! ぶっ殺してやる‼」

仕方ない、Aを使うかーー。

「A、命令だよ。彼奴を倒せ」
「"ご主人様の仰せの儘に"」

瞬間、私の外套がひらりと舞って、男の首が飛んだ。
余りの早業に私達は男の首がごとりと音を立てて落ちるまで動けなかった。

「参りましょう、ご主人さま」

そう云って剣を仕舞い、私の側に寄るAはとても愛らしい。
でもーー

「悪い子だねA。頬に血が付いているよ」

私が頬の血を拭ってやると、Aは顔を火照らせ乍ら俯いた。

「申し訳ございません」
「まあ、素手でやった前回よりは良いけどね。その剣、捨てて良いよ」
「しかし……!」
「あの男の血で汚れた剣をまだ使いたいなら構わないよ」

如何にも勿体無い、と云った風にAは剣を捨てた。
結構な値がした事を気にしているのだろうか。又すぐに買ってあげるのに。

「じゃあ中也、残りのゴミを宜しくねー」
「おう」

まあ、さっきのAに怯えて銃口が定まってない様な奴らなんて中也の敵じゃあないけどね。

「行くよA」
「はい……あ、あの龍さまは、」
「君、まだ芥川君のことそんな風に呼んでいたの?」
「い、いえ。しかし芥川さまが、」
「芥川君の事なら気にしなくて良いよ。中也が回収してくれるだろう」
「手前巫山戯んな!」
「かしこまりました……」

気に食わない。中也の言葉が耳に入らないくらい気に食わない。
Aは私の事だけ考えていれば良いのに。

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滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか? (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします! (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:徒長 | 作成日時:2017年7月8日 20時

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