Ernst Udet ページ24
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「二度目の旅客機! いやー、羽田空港っていいな!」
「いやいやいやいや下ろしてウーデット今すぐ下ろして!!」
黒髪パッツンでおかっぱの、ちょっと古風な女子が必死に隣の男性を叩いた。
その男性は薄い金髪で、時折ドイツ語を話すから彼はドイツ人だろう。ウーデットと言うらしい。
対する女子は可愛らしい格好をしていて、きっとふたりでデートでもしにきたのだろう。
とてもめかしこんでいた。
だが今は可愛らしい顔が鬼の形相へと変貌している。
「A、もう無理だ。だって離陸するところだし」
「こっ、れで死んだら…っ、あんたのせいにしてやるんだから!!」
「死なないさ! だっておれがいるから! おれが操縦してやるって!」
「不安しかないんだってば!!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐAを、まったく安心できない言葉でなだめるウーデット。
ウーデットはAの肩を抱いて飛行機の良さについて語りだした。
なだめるのは諦めたらしい。
「まず素晴らしいのは地上では見られない、上空での景色だ! 照りつける太陽! 踊る雲!」
「全然素晴らしくないんだって!」
「ちょっと寂しい気もするけど、みんなで共有できることっていいよな!」
ウーデットの本音が少し漏れたからか、Aはそれ以降静かになった。
だがときおりウーデットがからかうので、その度に涙目になりながら彼を殴るのだった。
16話ネタ#
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藍夢(プロフ) - ああああなんかもう、、、ありがとうございます(スライディング土下座) (2017年8月20日 0時) (レス) id: c8273cf735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ありす | 作者ホームページ:
作成日時:2017年6月25日 17時