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side→有栖川
「…は?」
生暖かい液体が頬を伝った
気づけば握っていたナイフは手の中に無く
代わりにナイフはお父さんが持っていた
ナイフには赤い何かがべっとりと付いていて
刃先からはポタポタと液体が零れ
地面に赤い水溜りを作っていた
「…!?」
突然右肩に痛みを覚え
その場に座り込んだ
ドクドクと心臓の音が聞こえる
右肩に広がる熱と痛みは
つい最近腹を切られた時の感じと似ていた
「だめだろう、こんな危ないものを振り回して…
君はまだか弱い子どもなんだ」
「なに、言ってんの…」
「決着をつけるんだろう?
どうした?もう降参か?」
「お父さん…?」
月光に照らされたお父さんの顔は
笑っていた
「A?」
走馬灯…いや違う
思い出した
「…誰だ」
「何回おなじ質問をするんだ?
お父さんだよ、君の」
「違う」
お父さんじゃない
「あなたはお父さんじゃないよ…だって」
だってあの時
お父さんは
お母さんは
「あの時、死んだの
腹を割かれて」
皆でショッピングモールへ行った時
敵と聞いてお父さんを思い浮かべた
今まではそんなこと無かったのに
自分が腹に怪我を負って退院した後だ
違和感を感じたのは
「お父さんさんとお母さんが敵に殺されたのは
二人が私の敵だったから
ヒーローが遅れてきて私たちを見ていただけだったのは…
私がナイフを持っていたから」
自分の身体が冷えるのが分かった
肩の傷も冷えて固まったように
いや
元々無かったように
痛みはすっと消えた
「私の、幻覚…」
目の前にいる敵は
「私の…個性
『ハンプティ・ダンプティ』…」
「正解」
目が回る
ぐるぐると
渦の中心に吸い込まれて
ぽとん、と何かが落ちた
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名無(プロフ) - もちさん» ありがとうございます。コメントを読んでいたらいつの間にかガッツポーズしていました…。(笑)とっても嬉しいです!!頑張ります!! (2018年7月3日 18時) (
レス) id: 0fdfaa66b3 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - コメント失礼します……。読み進んでたらいつの間にか泣いてました。びっくり。いいお話をありがとうございます。この作品大好きです！更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2018年7月3日 14時) (レス) id: 8b19b439f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無 | 作成日時：2018年4月1日 6時
