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「おい、ホンジュン」
突然、声をかけられた。
何もない砂漠で急に声をかけられて、
身体が飛び跳ねた。
後ろを振り向くと
父が右手にランプを揺らしながら立っていた。
父の能力は知らない。
でも、僕を見つけることは容易いことだったようだ。
「こんなところで、何をしている」
父は、僕を責めるような口調で話した。
父の冷たい目に身体が凍る。
「教会を出ていくなんて度胸があるな」
父の言葉は、決して
僕を賞賛しているわけではなく
ただ、僕の愚行に対して
呆れているようだった。
「こんな夜中に何も持たずに砂漠に出たら、死ぬということが分からないのか？」
HJ …すみません
父への恐怖心に、思わず謝ってしまった。
父は、小さくため息だけをすると
町の方へ歩き出した。
僕も、その後をついて行った。
しばらく、重たい沈黙が流れた。
帰ったら、きっとお仕置きをされるだろう。
また、いや、これまでよりも
もっと呆れられて、
僕のことなんて、どうでもよくて、
僕は、見捨てられるかもしれない。
僕は、泣きそうになるのを
ぐっとこらえた。
父をこれ以上、
泣き虫なホンジュンであることで
失望させたくなかったからだ。
「…ホンジュン」
父が、小さく呟いた。
僕は、何も返事をせず
ただ下を向いて歩いた。
「まさか、トレジャーを探しに行ったのか？」
父は、振り返ることなく聞いてきた。
トレジャー。
聞いたことがある。
確か、童話だ。
教会にも、大きな絵が飾ってあった気がする。
HJ …違います
泣きそうだったから、上手いこと声が出ず、
ガラガラ声になってしまった。
「そうか…」
父は小さく返事をして
足を止めた。
「私は、先に帰っている。まっすぐ、家に帰ってきなさい」
返事をする前には、もう父の姿はなかった。
それが、僕には興味がないと言っているようで
ますます、僕の心を痛めた。
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al-ice cream(プロフ) - うよんさん» ありがとうございます(*^▽^*)楽しんでくれたら嬉しいです。 (2020年4月14日 12時) (
レス) id: 3b58cef3ba (このIDを非表示/違反報告)
うよん - ついに(2)いきましたね(о´∀`о)これからも読ませていただきます(*^^*) (2020年4月13日 3時) (レス) id: 8db374ec7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：al-ice cream | 作成日時：2020年4月12日 14時
