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「太宰さん？…あ」
『あ』
太宰の後ろからひょこっと出てきたのは敦くんだった。敦くんにつられて私もついあ、と云ってしまう。きっと太宰に呼ばれたのだろう。
「…大丈夫なんですか？」
『私は大丈夫だから』
「却説、そろそろ本題に行こうか。───────敦くん、ちょっと外してくれるかい」
「はい…」
太宰と二人になると突然厭な予感がする。私のせいなのか太宰のせいなのか。困ったものだ。しかし捕虜の身の私は文句を云えるような立場じゃない。
『本題って何？前置きも何も無かったような気はするけど…』
「ねえ、捕虜って云ったでしょ？なら何するかくらい判るんじゃない、A」
『莫迦にしてるの？』
「そんな訳無いだろう？」
胡散臭い…と小さく呟くと、にっこりと笑って私を見てくる。はあ、とため息をついて口を開く。
『何を云えばいいの？』
「ポートマフィアのこれからの作戦とか」
『物理的に首が飛んだ私がそんなに見たいの？今回は特にぶっ飛んだ厭がらせだね』
「違うよ！？Aには厭がらせはしないのだけど！…でもこっちも仕事なのさ」
最初の一言はいつも通りの莫迦げたような口調だったが、少し間の空いた二言目はぞわりとするような低い声だった。
私は今日何回目かのため息をまたついて太宰を見た。
『それで、そっちからは何も無いの？』
睨むような目付きで見て喋る。相手が相手だ。かなり私も警戒している。
すると突然、寝ている私の顔の真横に太宰が手を置いた。体重をかけられたせいかギシリと軋む音がした。
『…どういう、つもり』
「どうもこうもないよ。君の口を割るにはこれがいいんじゃないかなってね」
『莫迦じゃな…っ』
「そんなこと云っていいの？」
何か言葉を云おうとすると、太宰はわざと耳元で囁く。しかも吐息のおまけ付き。耳は弱い方だと自分でも思う。それなのにそんなことされたらたまったもんじゃない。どうにか出かけた声を引っ込めた。
そうしたら太宰は妖艶に笑んだ。
「やっぱりこれだけじゃダメみたいだね？…もっと色々、やってあげようか」
『は…！？やめ…！』
「なァんてね」
『莫迦！』
「ああああ落ち着いて！？」
一瞬でも素直に色気があってかっこいいなんて思った私が莫迦だった。今すぐ中也をここに呼びたい気分。いつもなら迷わずそうしてるけど。
「ごめんね、嘘だよ」
『…ほんとのは？』
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九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす)(プロフ) - 謝花さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです！！頑張ります！(泣) (2019年4月9日 22時) (
レス) id: a597ec67e5 (このIDを非表示/違反報告)
謝花 - 中也さんカッコいい可愛い！更新頑張って下さい！ (2019年4月9日 13時) (レス) id: cfb76e4621 (このIDを非表示/違反報告)
九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす)(プロフ) - 薙(nagi)さん» ありがとうございます…！！！！初めてコメント頂けてうれしいです(泣)がんばります〜！！ (2019年3月11日 16時) (レス) id: 382e747ebe (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 凄く好みです、更新頑張って下さい！ (2019年3月10日 19時) (レス) id: 43e3ad1e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす) | 作成日時：2019年1月4日 18時
