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「なっなに！？暗い暗い暗い…！」
「あいつ…ブレーカー落としやがった！」
「とりあえず庭の方に逃げろ！」
「庭って言われても…イテッ」
「みんな今どこー！？」
暗闇の中、大声で声を掛け合いながら私たちはまんまと逃げ惑っていた。
家具や壁に体をぶつけながら月明りのある庭を目指す。だけど、大野くんの追い詰め方があまりにも恐ろしくて。
庭まで逃げたいのに、逃げられないでいた。
「はっはっはっ…！どこに行こうと言うのかね」
「ぎゃー！」
「Aちゃん…！？大丈夫！？」
「翔ちゃん！庭行く前にブレーカー戻しに行くぞ！こっち来て！」
「ドコドコドコドコドコ…！」
「おっ 置いていかないでぇ…！」
「落ち着いてAちゃん！ほらコッチ！一緒に逃げよう！」
「俺はAじゃねぇ！手握んな！」
「あ！？カズ！？じゃあAちゃんはどこ！？」
「みんなぁぁ…待ってよぉ〜…」
もう、自分が今どこを逃げ回っているのかも分からない。……が、この床の肌触り。おそらくリビングに続く廊下だ。
このまま真っ直ぐ行けばっ……
「はっ！二宮くん！相葉くん！」
ほら、微かな月明りに照らされた庭に二人の姿……！絶対絶対逃げ切ってやる！
私の初キッスは相葉くんと決めているのだから！と、リビングに足を踏み入れたその瞬間、
「…つーかまーえた」
背後から聞こえた恐ろしい声…。もの凄い力で手首を捕まえられてしまった私は一瞬にして凍りつく。そして、
「んぅ…！」
生温かい何かが唇に押し付けられたその時、"ブォン…"というブレーカーの音が再び鳴り響いた。
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作者名：ミト
| 作成日時：2017年8月10日 18時
