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「は？なんで俺がついて行かなきゃいけねんだよ」
「お願いします二宮様…！！」
「１人で行け」
「それが出来ないからこうしてお願いしてるんじゃない！」
「ならコスプレを諦めろ」
「それは絶対にイヤ！」
「じゃあ俺じゃなくて雅紀にお願いしろよ。デートにもなるんじゃない？」
「むっ無理！相葉くんとはこの先に正式なデートを控えているんです！ここでコスプレの趣味なんかがバレてしまっては嫌われてしまう可能性が…」
「約束してんだ、デート」
「……？うん」
なんだか変なところで引っかかっている。そしてものすごーく、悩んでくれている。
「雅紀はそんな事でお前を嫌いにはならないと思うけど…でもやっぱり１００％嫌われない安全ルートで進みたいよな」
「うんっ…うんっ…」
「…わかった。今回だけ特別な」
「ありがとうございます…！」
なんて心のお優しい方なんだ。これで明日の衣装を調達できるっ…。
＊＊＊＊＊
「おい、早くしろよ。もう決まったんでしょーが」
「ちょっと待って…他にも…あっ、これはカナメちゃんの！あっ、こっちはマナムさんの！」
コスプレショップは私にとって楽園だった。だって、好きなキャラの衣装がほぼ揃っている。
しかもハイクオリティ。
お値段はちょっと張るけど、オタクにとっては買う価値アリ。あぁ…１日中浸っていたいこの空間。
「ねぇ、そろそろハズいんだけど」
「えー…あ！？も、もしやあれは…！」
二宮くん越しに一際輝くあの衣装…
「五十嵐ウタイのアイドル衣装だ…！」
「あぁ？」
二宮くんはくるりと振り返り、"はぁ…"と肩を落とした。
「はいはい、ウタイの衣装だねー。…ほら、もういいから早くレジ行けよ」
「着てください、二宮くん」
「……はい？」
「あの衣装、試着してみてください…！」
「なんでだよ！」
「本当は相葉くんに着てほしい。でも、それは出来ない。ならば！今ここにいるアナタしかいないのです！」
「ふざけんなよお前…」
「ふざけてない！なんなら、私もコレ試着します！２人で着ましょう！」
私は手に持っていた"愉快なイケメンブラザーズ"のヒロイン衣装を上に掲げてみせる。
すると二宮くんはさらに大きな溜め息を吐いた
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作者名：ミト
| 作成日時：2017年8月10日 18時
