＊ ページ17
『で？どうするの？』
「えっとー…だから今、マコさんにご連絡を…」
『私？私はダメよ。彼と行くから』
「やっぱり…！」
『ほら、フラグを回収する時が来たんじゃない？』
「ん？フラグ？」
『前に言ったでしょ？二宮くんと結ばれるフラグ』
「あぁ…だからそれは絶対に無いって」
『いいから誘ってみなよぉ』
「無理無理。ていうか二宮くんも彼女と行くんじゃない？」
『えっいるの？』
「いや、知らないけど」
美容室前の歩道で１０分に及ぶこの通話は、ここから特に話が広がる事もなく終了した。
まったくマコったら…"二宮くんを誘う"だなんて。ありえない。
マコが一緒に行ってくれないなら、私は１人で花火大会を楽しんでやる。
＊＊＊＊＊
…と、祭り会場に到着した私は片っ端から屋台を攻めに行くことにした。
ベビーカステラ、わたがし、チョコバナナ…焼きとうもろこしに焼きそば、イカ焼き。
さぁさぁどれから食らっていこうか…私のお腹はペコペコなのだ。
「わぁ、屋台のチョコバナナって初めて食べたけどこんなに美味しかったのね…！」
「あぁ…甘いものの後はしょっぱいの。焼きとうもろこし、最高」
「しょっぱいものの後は甘いもの！ベビーカステラ！美味しい〜！」
・・・。
「はぁ…」
１人で頑張ってはしゃいでみたけど、なかなか寂しいものがあった。
右を見ても左を見てもカップルばかり。みんな幸せそうに手を繋ぎ寄り添って歩いている。
いつになったら私はそっち側の人間になれるのだろう。
いつになったら私は相葉くんと手を繋いで歩けるような関係になれるのだろう。
もしかしたらそれが今日だったのかもしれないのに…。
本当私ったら…誘うタイミング間違え過ぎだよ。
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作者名：ミト
| 作成日時：2017年8月10日 18時
