Lv23.ウェルカムパーティー ページ1
私がこの家にやって来て半年が経った今日、同居人の彼らはやっと「歓迎会」なるものを開いてくれた。
-7:00p.m.-
「わぁ…まさかここまでしてくれるなんて…！」
庭に用意された豪華な食事と高価なワイン。
点々と設置されたガーデンライトに、カラフルなたくさんの風船。
さらにはオシャレな洋楽がちょうど良い音量で庭全体のムードを高めていた。
それはまるで海外映画に出てくるような立食パーティー演出で、これには女子力に疎い私も胸をキュンキュンさせられてしまった。
「えー、それでは」
スタンドマイクの前に立った松本くんがみんなの注目を集める。
すでに料理に手を出していた大野くんは慌てて口に含んでいたものを飲み込んで。
ガーデンライトに興味を示していた櫻井くんはテクテクと自分のグラスの所へ戻り。
そして最後まで会場のセッティングを手伝っていた相葉くんは一度タオルで首元を拭ったあと、私の隣へとやって来た。そして、
「お、もう始まんの？」
こんな時まで部屋にこもってゲームをしていた二宮くん。まったく…今日は私の歓迎会だよ？
少しは我慢できないのかなぁ。…ま、気持ちは分からなくもないけどね。
＊＊＊＊＊
「少しばかりではございますが、おいしい料理とおいしいワインをAちゃんのために用意いたしました。今日は思いっきり楽しみましょう！乾杯！」
松本くんの乾杯の音頭に、私たちはグラスを上に掲げた。
隣に居る相葉くんはワインを一口飲んだあと、私の耳元に顔を寄せて、
「これ全部潤くんが作ったんだよ？すごくない？」
軽く耳打ち。
「え！これ全部…！？」
と、驚きながら相葉くんの方を振り向けば、その温かい瞳とバッチリ目が合って。
まだ酔いも回っていないのに私の身体は一気に熱くなってしまった。
(ちっ近いっ…)
「Aちゃん、好き嫌いある？」
「ほっ！な！ないです！」
「おっけー」
お皿片手に私の分の料理をよそってくれる相葉くん。なんて出来る男子なの…。
あぁ…そのクラッカーにチーズとトマトが乗ったやつ、今一番食べたいと思っていたところ。
さすがは相葉くん。わかってるー……。
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作者名：ミト
| 作成日時：2017年8月10日 18時
