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「大丈夫！？A！Aちゃん！」
「…あ、あい…あいば…くん…？」
湿った土の匂いがする。
一体何が起こったというのか…腰から頭にかけてもの凄い衝撃が走ったのは確かだ。
そのせいでか少し前の記憶もない。
なぜ私はここにいる？
なぜ私はここに倒れてる？
頭の中はプチパニックだった。けど、
「はっ…！」
記憶はすぐに蘇って
「あいっ…あいっ…」
目の前にいる相葉くんのその姿に、鼻の奥がツーンと音を立てた。
「Aちゃんしっかり！起き上がれる！？」
「ふっ…服を……服を着てください…」
「え？」
「か、風邪を引きますゆえ…服を…着てぇ…」
バスタオルを腰に巻いただけのその姿…私には刺激が強すぎたみたいだ。
さっき鼻の奥がツーンと音を立てたのは粘膜が破れた知らせなのだろう。血が止まらない。
「えっ鼻血！？鼻打ったの！？」
「いや…あの…これは違…」
「あぁもう！何が起こったんだよ！」
「ひゃあっ…」
ぐっと力強く宙に浮いた自分の体。
背中と膝の後ろに感じる温かい体温と耳元にはドクドクと聞こえる相葉くんの鼓動音。
それらは全て………
「大丈夫、すぐ手当てするからね」
大好きな相葉くんにお姫様抱っこをされているという証拠だったんだ…。
＊＊＊＊＊
「…ん」
重たい瞼が開いた時、間接照明で柔らかく照らされたその天井に自分が今リビングに居る事を知らされた。
首が思うように動かないことからしばらく同じ体勢で横になっていたのだろう。
「気がついた？」
相葉くんの心配そうな声が耳のすぐそばで聞こえて、無理やり首を横に向けてしまった。
「っ…！いったぁ…」
「あぁほら、まだ安静にしてないと…」
ちゃんと服を着た相葉くんが、私の首元にそっと手を添えてくれる。
「うぅ…すみません」
まさか、こんな事になるなんて…夢のお姫様抱っこは嬉しい誤算だったけどやっぱり今は後悔しか残っていない。
「………バッカじゃねぇの」
呆れた声を私に吐き捨てた二宮くんは少し離れた所からパタパタと団扇で風を送ってくれていて
その周りには同じく呆れた表情で私を眺める櫻井くんと松本くんと大野くんが居た。
「Aちゃんの頭の中を見てみたいよ」
「思考回路が完全に男だろ」
「Aちゃん…ドンマイ」
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作者名：水兎
| 作成日時：2017年7月11日 16時
