Lv.18いざ、ケーキ入刀 ページ23
「みなさん！今日はとっておきのデザートをご用意しております！」
夕食後、リビングから自室に戻ろうとしていたみんなを呼び止めて私はキッチンに向かった
本当は相葉くんだけの為に作ったケーキだけど、仕方ない。せっかく１ホールもあるんだもん。
みんなで仲良く食べようじゃないか。
「はいはいみんなテーブルに戻ってー！」
キッチンからそう呼びかけると５人は互いの顔を見交わしながら席に着いた
みんなが不安そうな表情を浮かべる中、
「何作ってくれたんだろ〜楽しみ！」
相葉くんだけは笑顔を見せてくれる。…あぁ、やっぱり彼は天使だ。
私なんぞの手作りデザートに期待を持ってくれるなんて。ふふふ…では、お披露目。
「じゃーん！」
「おお！」
「ケーキ？」
興味を示してくれた大野くんと松本くんに、
「誰か誕生日だっけ？」
記憶を探る櫻井くん。そして、
「ほんとにお前が作ったの？」
私を疑う二宮くん。
だけど相葉くんからは、
「すっご！こんなん作れるのAちゃん！」
「ふっふっふー。ちょっと暇だったもんでね」
「すごい！お店で売ってるやつみたいだよ！すごいすごい！」
"凄い"の嵐。
もう…もう…これは私の勝ちだ。圧勝だ。
あとはこのケーキに込められた恋のスパイスに相葉くんが気付いてくれれば…！
「とりあえず切り分けないとね。Aちゃん、包丁持ってきて」
「あっ、はいはい！」
翔くんからの指示でキッチンへ向かう。
「お前が切り分けてくれるんでしょ？」
「いやっ私はもうっ…ここから見てるだけで結構ですので！」
二宮くんにそう断りを入れて、包丁をテーブルに置いた。
さっきネット上で言われた"お菓子作りのセンスが無い"という指摘にやっぱり心が折れていたのか、相葉くんの前でケーキを綺麗に切り分ける自信が無かったのだ。
「じゃあ、ここは潤くんに任せようよ。器用だし」
翔くんの提案に全員が頷く。
そして包丁を受け取った松本くんは、私の愛がたっぷりこもったケーキに刃を入れた
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作者名：水兎
| 作成日時：2017年7月11日 16時
