#2 ラブ・クエスト【ars K.N】 (ページ18)

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＊ページ18

「Aちゃんどうしたの？気分でも悪い…？」
「…え？」

　なんとまぁ、キスどころか体調を心配されてしまった私のキス顔。

「え、あ…いや。気分は悪くない…です…」

　ウソでしょ…私のキス顔、気分悪い人みたいに見えるの…？

___＿"そんなんじゃキスはもらえないよ"

　…二宮くん。あの時の発言はそういう意味を含めていたのね。

　ならもっとハッキリ言ってくれればよかったのに…。お前のキス顔は気分悪い時の顔だって。
　最悪だよもう…。

「本当に大丈夫？ちょっと、じっとして…？」
「ふぇ…」

　コツン、と自分の額に寄せられた相葉くんの額

「うーん…熱はなさそうだけど…」
(お、おでことおでこぉ…！)

　突然のサプライズイベントに、私の身体は一気に熱くなって

「あれ？やっぱり熱ある…？」

　おそらく４０度以上は叩き出したと思われる。

「どこか中に入って休憩しよっか。…あ、ちょうど雨も止んできたことだし」

　…と、相葉くんが私のおでこから離れようとした時

「ま、まだ計っていてください！」

　咄嗟に掴んでしまった相葉くんのＴシャツ。私はそのままもう一度相葉くんのおでこを引き寄せた。

「ど、どうしたの…？」
「もう少しだけ…コッツンコさせてください…」
「コッツンコって…」

　…と、相葉くんは困っていたけれど、彼は私の気が済むまでそのおでこを貸してくれていたのだ

＊＊＊＊＊

「コッツンコだぁ？」

　帰宅後、なぜか私の部屋で待機していた二宮くんは口をひん曲げて言った。

「なにコッツンコて」
「だから…お熱を計る時のコッツンコです…」
「流れがわかんねぇ。詳しく」
「えっと…突然雨が降ってきて木陰に移動しました。その際、壁ドンならぬ木ドンをされまして、キスのチャンスだと思った私は目を閉じました」
「マジか！で、どうだった？キスできたか？」
「それが…気分でも悪いのかと聞かれてしまいました…」
「ぶーっ…くくくくく！」
「わ、笑うなー！」
「だって、だってー！」

　デスクの前でくるくる椅子を回転させて大笑いする二宮くん。ちょっと失礼すぎやしないか。
　一応これでもあの時は傷ついたんだから…。