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「それよりA、"キス顔"の練習は出来てるの？」
「…はい？」
「できてないの？」
「いや、キス顔って…」
マコったら考え過ぎ！…と、笑い飛ばそうとしたけどマコの表情は真剣そのもの。
キス顔の練習とは一体…話がぶっ飛び過ぎててリアクションに困る。
「男の子にキスされる時、女の子って目を閉じるでしょ？」
「はぁ…そうなのかなぁ」
「そうなの！で、結構そのキス顔で男の子が引いちゃう時があるみたい」
「えぇ…キスまでするくらい好きなのに？」
「そうよ〜そういう所で一気に冷められちゃうことだってあるんだから」
「なんと恐ろしい…」
もしも相葉くんとお付き合いできたとしても、キス顔がブサイクなら振られるかもしれないってことか…。
でもまぁ、これはまだまだ先の話だ。焦る必要はない。
「相葉くんとはまだそんなレベルの仲じゃないし、練習しても意味が…」
「いーや！何が起こるか分からないじゃない！」
マコは私の言葉を遮ってまで主張する。
「だって相葉くんから誘ってきたんでしょ？それって脈アリかもしれないわけじゃん？で、もうお互いいい大人でしょ？キスの一つや二つされる可能性大よ」
「え〜…」
「むしろ自分から仕向けなさい」
「し、仕向ける…とは」
「きっとね？一回くらいは顔が近付く時があると思うの。何かの拍子で。そしたらその瞬間にキスムードを作る。これ、難しいと思うけど相手の目をただじっと見つめて何も言わずに居たら意外と簡単にそういう空気になるから。で、自分から目を瞑る。そしてそのキス顔が可愛ければ…」
「キ、キスが出来る…」
そうか…そうか…。
そういう風にして世の女性たちは意中の男性の唇をゲットしているわけだ…。
ならばさっそく家に帰ってキス顔の練習だ。
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作者名：水兎
| 作成日時：2017年7月11日 16時
