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大きな扉を開く音を立てて誉は寮に帰ってきた。しばらくすると複数の足音が聞こえ、迎えに来てくれたことを認める。その内のひとつは監督だろう、と予想を立てる。

「ありりんおかえりんご〜」

「誉サン!デートどうでしたか!」

「ふふ。誉、デートしたの?気になるなぁ」


「……」

予想外の人物達の出迎えに誉は困惑した。
瑠璃川幸が"ワンワンコンビ"と名付けた二人と雪白東という組み合わせは珍しい、というよりも気になったものがある。

「デートではないよ。友人になっただけだ」

誉は飄々と"デート"という単語を否定した。

「えぇ〜ありりんそれは嘘でしょ!」

「嘘ではないよ」

「おみみんが見たって言うから!」

若者はどうも恋愛に過敏だと思っていたら、意外な人物から今日の光景を見られていたということに誉は目を丸くする。

「ほう、見られていたとは……。私も色々と甘かったようだね」

「え!?それって!?マジっすか!?」

そう言って誉に近寄る太一はフリスビー前にした犬のようで愛らしい。
そんな様子に微笑して、上手くはぐらかして自室へと逃げるように帰った。

「えぇ……ありりんマジでデートな感じ?」

「ふふ、誉も青いね」

「東さん?それどういうことっすか」

「んん、大人の話……かな」

呟くようにこぼした東の顔はいつものように微笑んでいて太一は何を考えてるのか分からず首を傾げた。

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作者名:まそたろう | 作成日時:2017年10月7日 1時

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