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氷麗―46― ページ46

徹様は尚も泣き続ける

これはもうだめね




『キョーコ様を探しに行きましょ』


音「私も手伝います」




私たちは飛び出して行ったキョーコ様を探すことにした




阿「今、女性が凄い勢いで走って行ったけど。何かあったの?」


『えぇ、まぁ。不倫カップルだったのよ。男性が既婚者』


阿「よくある話だね。大丈夫?収集つかなくなったら担当代わるけど」


『平気よ。それより、どこに行ったか分かる?』


阿「あっちの方に走って行ったから……バーじゃないかな?」




はるの証言を頼りにバーに来る

すると、カウンターに突っ伏したキョーコ様がいた

奥では切子さんと大外が楽しそうに話している。珍しいわね




『私が話しかけてみるわね』


音「お願いします」




そう言うと音子は大外と切子さんのところに行った

さて、私は何て声をかけようかしら




キョ「あなたはいいわね、綺麗でスタイルも良くて……浮気なんてされたことないでしょう?」




私が隣に座ると、キョーコ様から話しかけてきた

うつろな表情で、目の焦点はあっていない

多分、相当飲んだのだろう




『私はあなたが羨ましいわ。そんな風に誰かを愛し、愛されたことなんてなかったもの』


キョ「そうなの……?」


『そうよ。簡単にできることじゃないわ』


キョ「私……どうすればいいんだろう」


『好きにしたら?』


キョ「好きにって?」


『彼と関係を続けたいと思っているのなら続ければいいのよ』


キョ「え……」


『私があなただったら……彼を愛していたら……許してしまうかも』


瑪「あら、少し意外ね」


『もちろんただには許しません。殴ります』


瑪「うふふ、Aちゃんらしいわ」


キョ「そうよね……」




心が決まったのか、キョーコ様は席を立ち、バーを出て行った

きっと徹様の所へ行くのだろう




音「いやぁ、私には絶対に出来ないアドバイスでした」


『大したことは言ってないわよ』


切「塚原さん、塚原さん!」


音「あ、切子さん。どうしたんですか?」




切子さんが何かを抱えて嬉しそうに音子に話しかけてきた




切「今日はいい景色が見られるかもしれませんよ」


音「本当ですか?」


切「よければ、これをお貸しします」


音「望遠鏡?」


切「えぇ、持っていると何かと便利ですよ」


音「ありがとうございます」




切子さんは再びいそいそと窓際の席の方へと戻って行った




音「いい景色って?」


『さぁ?』

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設定タグ:誰ソ彼ホテル , SEEC   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:みかん | 作成日時:2019年2月5日 16時

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