検索窓
今日:12 hit、昨日:6 hit、合計:63,472 hit

氷麗―44― ページ44

支配人を置いてカップルの部屋に来ると、中から騒がしい声が聞こえてくる

しかもドアの下から水が漏れている


私は何事かと思いドアを開けた




キョ「ちょっと!早く何とかしてよ!」




キョーコ様のヒステリックな声が部屋に響く

なぜか床が水浸しになっていた




音「あ、A先輩!」


『なに、どういうこと?』


ト「バスタブの水が止まらないんです!」


キョ「早く止めて!」





私と音子でどうにか水が止まらないか部屋を探索する

しかもすごい潮の匂い

これってもしかして、海水?




『バルブがあったわ、これで水が止められるはず』


音「こっちには箱の中に黒い手帳がありました。トオル様の物ですかね」


『あとで聞いてみましょう。それより、排水溝に水が流れないわね。何か詰まっているのかしら』


音「あ、それならゴム手袋がありますよ。私見てみます」




音子が排水溝を調べると、中から丸まった紙を取り出した

すると、水がどんどん吸い込まれていく




『何が出てきたの?』


音「白黒の写真っぽいですけど……」


『……エコー写真じゃない』




音子と顔を見合わせる

順当に考えれば、キョーコ様のものよね




『水、止まりましたよ』


ト「わぁ、ありがとうございます!」


キョ「ホテルの設備が古いんじゃないの!?」


音「実は排水溝にこれが詰まってまして……」




音子がカップルに先ほどのエコー写真を見せる




キョ「これって赤ちゃんのエコー写真じゃないの」


音「キョーコ様の写真ですか?」


キョ「いいえ、違うわ……。私じゃない。私のだったら忘れるわけないもの!」


『トオル様には覚えのある写真ですか?』


ト「い、いや……分からない。思い出せないんだ」




トオル様がオロオロと手を彷徨わせている

これはいよいよ、トオル様が胡散臭いわね


私はトオル様の手を見つめる




『ずっと気になっていたんだけど、トオル様には左手の薬指に年季の入った指輪の跡がありますね』


音「結婚されていたんですか?」


ト「し、してないよ!……でも、キョーコちゃんとのペアリングかも……」


『その証拠は?』


ト「だって、僕……ファッションで指輪を嵌める趣味なんてないし……」


キョ「だったら、どうして外しているの?」


ト「わ、わかんないよぉ!」


キョ「……」




今のトオル様のリアクションで、更に疑惑が大きくなる




音「トオル様、今はキョーコ様一筋ですか?」

氷麗―45―→←氷麗―43―



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
設定タグ:誰ソ彼ホテル , SEEC   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みかん | 作成日時:2019年2月5日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。