氷麗―18― ページ18
Aside
支「いやぁ、僕はもう二度と麻雀なんてやらないぞ！」
阿「支配人は見事なカモでしたからね」
瑪「ベソかいてたもの」
支「べ、ベソはかいてないよ！;;たしかに泣きそうだったけれども！;;」
ギャンブラーが帰って、ロビーで先ほど繰り広げられたであろう麻雀の話をしている
やっぱり支配人は今回もカモにされてたのか
瑪「Aちゃんも、大変だったみたいね。大丈夫？」
『えぇ、意識を失ったけど割りと平気』
音「阿鳥先輩がすぐさま助け出しましたからね」
『え、はるが？』
私は、はるの方を見ると申し訳なさそうな顔をした
音「それはもう、A！A！って叫んで必死に」
阿「音子ちゃん、恥ずかしいから再現しないで;;」
『どうしてそれをもっと早く言わないのよ』
阿「いや、だって……俺がもう少し早く気付いていれば、土砂の下敷きにさせることはなかったのに……」
『事後のことをとやかく言ったってしょうがないでしょ？現に私は元気なんだから、はるのせいじゃないわよ』
阿「そうだけど……」
『はる、私を助けてくれてありがとう。あなたが一刻も早く私を助けてくれてなきゃ、さすがの私でも窒息してたんだから。感謝してる』
そう言うと、みんなはポカンとした顔で私を見つめる
なんだか居心地が悪い
『……何よ、みんなしてアホみたいな顔してるわよ』
支「だって、そんなに素直な暁さん、初めて見たから！」
『失礼ね、感謝するべきことくらいちゃんとお礼を言うわよ』
阿「確かに、Aちゃんに素直になられると調子が狂うっていうか……」
『あんたね……二度と言わないわよ』
阿「ごめんごめん、つい嬉しくて」
はるは私をなだめる様に頭を撫でる
私は昔からこの行為に弱い
音「そういえば、みなさんに聞きたいことがあるんですけど」
阿「どうしたの、音子ちゃん」
音「安藤様は最初、頭がパチンコ玉みたいになってましたよね？」
支「うん、自分を見失っていたからね」
音「私がここに来た時って、どんな顔になっていましたか？」
支「……」
阿「……」
『……』
音「え、なんで無言なんですか」
『だから、秘密って言ったじゃない』
支「塚原さん、世の中には知らなくてもいい事もあるんだよ」
阿「ふふっ」
音「ど、どういう事ですか;;」
私とはるは、小さく笑いを堪えた
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作者名：みかん | 作成日時：2019年2月5日 16時
