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保健室の前に着いた。
中にスンチョルがいるはずなんだけど、申し訳なさで入るのを躊躇してしまう。
扉に手をかけてはやめ、手をかけてはやめ…を繰り返し、保健室の前をうろうろしていたら、急に扉が開いた。
やべっ！！！って急いで顔を逸らした。
JH「あ、Aじゃん。
スンチョル、大丈夫そうだよ。中入る？」
『あ、うん…』
ほら、おいでって扉を開けて中に入りやすくしてくれたので、おそるおそる進んでいく。
JH「じゃ、俺とジスは体育戻るわ。
A、あとスンチョルよろしくな」
『うん…ありがとうジョンハン。ジスくんも」
スンチョルはソファーに腰掛けて脚を冷やしていた。
スンチョルのそばまで行く。
『あの、スンチョル…ごめん。
私のせいで怪我…ほんっとにごめん！！』
勢いよく頭を下げる。
スンチョルは、ふは！って笑って、肩をぽんぽん叩いた。
SC「A〜！大丈夫だって！
俺足首ねんざしやすくてさ、よくやっちゃうんだよね。
ね！先生！」
保健の先生「そうよ〜
部活しててもよく捻挫した〜！って保健室来るんだから、もう常連よ笑」
保健の先生は肝っ玉母ちゃんみたいな先生で、私はよくサボりに来るので顔なじみになっている。
眠いときはベッドに寝かせてくれるし、いつもお世話になってるから説得力と安心感が半端ない。
先生「でも、今回はいつもより腫れてるから、お医者さんに診てもらった方がいいかもね〜」
『えっ…やっぱり重症じゃ……』
先生「大丈夫大丈夫！骨折はしてなさそうだし！念のためだから！」
って親指を立てる先生。
『はあ〜、良かった〜』
安心して胸を撫で下ろした。スンチョルを見ると、優しく微笑んでくれた。
先生「…にしても、Aちゃんを庇って怪我するなんて、ふたりは付き合ってるの？」
ニヤニヤしながら聞かれた。
SC「『えっ？』」
『ないない！！！全くないですよ〜！！』
SC「俺たちは同じクラスで仲良いだけで！！」
先生「そんな必死になって否定しなくてもいいのに笑
でも大切な友だちを守れたんだから、この怪我は勇者の勲章ね！」
ふふって笑い、照れ臭そうに鼻をかくスンチョル。
この恩は一生忘れないぞと誓った。
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作者名：タキシードアリス | 作成日時：2019年11月9日 10時
