幻想世界。人形奇譚。 (ページ6)

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6.貴方が僕の主人だったらページ6

伯爵様が店を出て行き、私はアリスと2人きりになった。

A「……」

アリス「貴方はきっと人形がお好きなのですね。」

A「は、はい！父が人形師だったんです。その影響で私もお人形が大好きです。」

アリス「そうだったんですね…。貴方の作る作品はどれも丁寧で人形への愛情を感じます^ ^」

A「ふふっ、ありがとうございます！」

アリスの言葉を素直に喜んでいると、彼は少し悲しそうな顔で言った。

アリス「……貴方が僕の主人だったら良かったのに。」

A「………え？」

アリス「……今のは忘れてください。マリアス様に叱られてしまいますね(笑)」

アリスは顔をあげると苦笑してそう言った。

A「アリス……？」

アリス「これは本当は秘密なんですけど、貴方にはお教えしますね。実は……僕は人形なんです。他の方に言ってはなりませんよ。」

A「へ……！？えっ……人形って＿＿」

私が言いかけたとき、伯爵様が戻ってきて、アリスは一礼して去って行ってしまった。