113 ページ22
「ねえリーマス、今年もお世話になっちゃってごめんね。」
「いいんだ。君が来てくれた方が母さんも父さんも喜ぶから。それに、君がいると.......」
そこまで言いかけたリーマスは隣から聞こえる寝息に思わずフリーズしてしまった。なんだか眠そうな声ではあったけれど、まさかこの数秒で眠ってしまうなんて。
言おうと思ったんだ。今なら言える気がしたんだ。君がいると僕は凄く落ち着くって。君の前だとありのままでいられるから楽なんだって。
「言おうと思ったんだけどなあ.......。」
リーマスは小さな欠伸を一つすると、ソファの背もたれに凭れて眠るAを見た。パッドフットは寝顔がブスだって散々からかっていたけど、僕にはそうは見えなかった。だって、目の前で寝息をたてるリーラはなんていうか、昔父さんが貸してくれた本に載っていた妖精みたいで。普段大人びて見える彼女でも、寝顔は凄くあどけなく見えた。
「ねえリーラ、」
自分と同い年なのにどうしてリーラはこんなにしっかりしているんだろう。プロングズ達のセブルスいじめだって、真っ先に止めたのは彼女だった。僕はセブルスを助け出してくれと頼まれていたけれど、その場になると狼狽えてしまって中々セブルスの元に駆け寄ることはできなかった。リーラはセブルスとリリーが絶交してしまったのは全て自分のせいだって、あの日からずっと自分を責め続けているけれど.......本当は僕のせいなんじゃないかと思う。だって僕がもう少し早くセブルスを連れて行っていればあの''呪いの言葉''が彼の口から出ることはなかったんだから。
「もう自分を責めないで。」
すやすやと眠る横顔に向かって一人呟く。あの日以来僕達はセブルスと気まずくなってしまって、彼は何度もエバンズに謝っているみたいだけどエバンズは彼を許すつもりはないらしかった。リーラもエバンズに彼を許すように何度も頼んでいるみたいだったけど、答えは常に''No''だと言っていた。彼を見かける度に悲しそうな顔をするリーラを僕は見ていられなくて何とか2人に仲直りして欲しくてエバンズにさり気なく話してみたけど.....
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢しずく - usagiさん» お返事ありがとうございます！いえいえ、この作品に最後まで付き合わない人が居ますか？いいえ居ません← もちろん読みにきますよ！それに4時間以上の価値があったのでお気になさらず。これからも頑張ってくださいね (2020年4月9日 16時) (
レス) id: 626b9c2144 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 夢しずくさん» 夢しずく様、はじめまして。そう言っていただけて凄く嬉しいです！それに、貴重な4時間をこの作品のために.......！本当にありがとうございます！是非、最後まで御付き合いよろしくお願い致します＊ (2020年4月9日 15時) (レス) id: 738c4a8002 (このIDを非表示/違反報告)
夢しずく - はじめまして、こんにちは。とっても面白いお話です……！リーマスが可愛すぎてヤバいです！あなたの文才を分けてください……。 あ、面白かったので4時間くらいかけて最初から最後まで読みましたww 更新頑張ってください！！ (2020年4月9日 3時) (レス) id: 626b9c2144 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - いっちゃんさん» そんな！嬉しいです、ありがとうございます。是非、ボードの方で語りましょう。 (2020年4月8日 15時) (レス) id: 738c4a8002 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - usagiさん» 私もusagi様の物語がどれも文才で魅力がありすぎて素晴らしい作品だと思います。これからもusagi様とハリポタについて語りたいです。笑 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 5135df06ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：usagi | 作成日時：2020年3月26日 10時
