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ガタン、と言う物音と共に
こちらに向かってくる足音
誰のものか、なんて
そんなの見なくても聞かなくても分かった
「シリウス！君は一体何をしているんだ！」
「何って、見たままだよ
君の彼女を抱いてる。」
「今すぐ彼女を離すんだ、
言い訳は後から聞く。」
そういった彼の声に滲むのは怒り
「うるさいわね、
今いい所なの邪魔しないでくれる？」
精一杯冷たい声で言えば
私の方を見て固まる彼
その顔から血の気が引いていって
青白い顔が更に青白くなる
「A……？」
「いい？よく聞いて、
私は貴方に嘘ついてた」
「意味が分からないよ。」
「そのままよ、私はシリウスが好きなの
抱かれてるのも自分の意思
彼ってば、すごく上手なの」
態とらしくシリウスに凭れかかれば
思いきり吹き出しそうになるシリウス
バレないように
そのお腹を殴りつつ
私は唇を歪めて震える彼を見た
「そんな、意味が分からないよ
だって君は……。」
「貴方って賢いと思ってたけど
意外と物分りが悪いのね」
はあ、と溜息をつきながら
眉を顰めた彼を見捉えて
私はゆっくりと言葉を紡いだ
「いい？
簡単に言うと貴方はもう用無しよ」
「君は、君は最低だ＿＿」
唸るように呟かれたその言葉に
怒りに充ちた彼のその顔に
私は思わず胸が苦しくなる
「そうよ最低よ、でもそんな最低な女を
愛していたのは貴方でしょう？」
「間違いだった、みたいだね
君はただの淫乱女だ。」
「……なっ、」
彼の口から放たれた言葉に
予想外のその言葉に
私の中で何かが切れた
一体誰の為を思って＿＿＿
「随分と偉そうな口を利くのね
人間になれない哀れな人狼さん？」
精一杯の嫌味を込めて
にっこりと微笑めば
彼はシリウスに掴みかかった
「君が彼女をおかしくしたんだ
彼女は、彼女は＿＿！」
「残念だがリーマス、
抱いてくれと頼んできたのは彼女だ。」
その言葉に彼はその視線を私に向ける
碧の瞳から注がれる冷たいその視線に
耐えきれなかった私は思わず目を逸らした
「それは本当…かい？」
「ええ、そうよ
リーマスじゃ物足りないからってね」
「……ひどいよ。」
彼は両手でその顔を覆うと
何も言わずにこちらに背を向けた
頼りげのないその背中に
今すぐにでも飛び付きたくて
抱き締めて、あげたくて
でも今の私にそんな資格はない
「だから、バイバイ」
溢れ出しそうな本音を抑え込んで
私はそんな彼にひらひらと手を振った
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usagi(プロフ) - 黒雷さん» そう言って頂けて、作者は嬉しい限りです。最後まで御付き合い下さり本当に有難う御座いました！ (2020年2月22日 18時) (
レス) id: a60327fc69 (このIDを非表示/違反報告)
黒雷(プロフ) - 物語の最初からイッキ見させて頂きました。ストーリーの長さも丁度よく、とても面白かったです。物語の後半になるにつれて私のよわよわな涙腺が崩壊しましたTT本当にいい作品でした。 (2020年2月22日 16時) (レス) id: ee55560686 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 弐七さん» 最後まで御付き合い頂き本当に有難う御座いました！いえ、こちらの作品で使用しているイラストは私が描いたものではなく、Picrewのlococoで作成したものになります：) (2019年12月16日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - Emmasakuraさん» 最後まで御付き合い頂き本当に有難う御座いました！2人のその後、ぜひ書かせて頂きます：) (2019年12月16日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - no nonさん» 最後まで御付き合い頂き有難う御座いました！！2人のその後、いいですね！ぜひ書かせて頂きます*゜ (2019年12月16日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年12月8日 11時
