夏の恋は君と (ページ12)

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「Aちゃん、ただいま～」

愛しい君の声。空耳なのかな。夢の中なのかな。
「...ちゃん、Aちゃん、こんなとこで寝たらあかんよ。風邪引いてしまうよ？」

「んっ、ともくん、」

空耳じゃなかったみたい。1日ぶりの顔に安堵して、さっきまでとは違う感覚で眠くなってくる。

「ごめんなぁ、遅なってしまって。風呂入ったら俺も布団入るから、先寝とって？」

「ん～、待ってる、」

「待ってるぅ？！あかんよ！風邪ひいてまうよ！連れてったるからほら、捕まり？」

んっしょっとすぐお姫さま抱っこしてくれるともくん。ほんとに王子さまみたいだ。
しっしと、はよ寝んと！と言いながら私をベッドに連行する。一緒に居たいだけなのに、と思いながら彼の首元に顔を寄せた。

私はべつにそんなに軽い方じゃないけど、軽いやんって笑っていえる彼はやっぱり王子さまかもしれない。

「んふふ、ともくん王子さまみたいだね」

「Aちゃんがお姫さまなら嬉しい」

ほんとに彼は私のご機嫌とりが上手い。
私の王子さまであり、天使でもある彼。
うーん、やっぱり微笑む姿は天使としか思えない。

「まだ眠くない、」

「うそやん。目とろーんなってるで」

ほっぺをぎゅーってされながらつっこまれてしまった。
「じゃ、なるべく早く帰って来るから、さっきみたく遅くはしやんから、待っとって」

「うん」