ネモフィラを君に-side story-

花咲く時期【iwfk】 ページ4

深澤side


放課後いつものように照とだべっていると教室のドアが開いた


『佐久間いるー？』

「おっ舘さん！佐久間ーお迎えだぞー！」

『はーい！』


先程まで話していた友達に別れを告げて嬉しそうに走ってくる佐久間


『じゃあなー』

「舘さんもまたね！」

『おう！』

「ばいばーい！」



今日も二人の背中を照と見送る


『あいつら本当仲良いなー』

「そうだね…」



俺と照は中学の同級生で、高校も一緒になった



俺は中学生の時から照への片想いをこじらせている


『──か、……ふっか？』

「え、なに？」

『だから、この後ゲーセンでも寄らね？って』

「おう！クレーンゲームはこの深澤に任せなさい！」



これでいいんだ


この想いに蓋をすれば高校を卒業しても仲の良い友達として照の隣に居られる



高校生になって急に背も伸びて男らしいガタイになった照に何度もときめいたけど、周りに彼女が出来ていく度に現実を思い知らされる





この想いを打ち明けたらきっと今までの関係じゃなくなってしまう


今日もこの想いをしまって、男らしく照にぬいぐるみでも取ってやろう

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