とひら ページ11
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まあそんな決意も昼休みのチャイムを聞くと同時にスタートダッシュ決めたチーノの首根っこを引っ掴んだゾムの前でごなごなに砕かれた訳だが。
｢ぐええっ！！！！｣
｢チーノそんな急いでどしたん？？購買？？なら一緒行こうやあ！｣
｢ぞ、ゾムさん俺今日購買行かな、｢あ！ショッピくーーん！昼飯買い行こや〜！｣聞いてやあ！！｣
｢ちっすゾムさん。チーノ、お前開幕ダッシュ決めたん先生割と怒っとるぞ｣
｢え｣
｢放課後ノート集めて来いって言っとった｣
｢世界はもっと俺に優しくあれえ…｣
｢お前何言っとん？｣
そんなこんなで思惑を絶たれたチーノはゾム、ショッピと共に購買で無事？に大量の昼飯をゲットしいくつかのパンを腕に抱えながら願わくばAの持つ弁当が誰にも奪われていませんようにと心の中で必死に祈っていた。
その願いも虚しくまさに今鬱先生によって打ち砕かれている訳だがそんなこと今の彼は知らない。
屋上のある棟までの渡り廊下を3人で駄べりながら歩く。先頭では早く彼女の所に行きたいチーノが足早に進んでおり後ろにそんな彼をからかうゾム、呆れたように傍観するショッピと続く。
そんな中ぼと、と何かが落ちた音にチーノは振り返った。自分の中で一分一秒を争っている彼ははよせえ！と言い放ってやるつもりだったが後ろのゾムは抜け落ちた表情で棒立ちになっており稀に見ないその姿に呆気に取られてしまう。
ゾムの視線は中庭に向けられていて、急に立ち止まった彼に不審がったショッピもふとそちらを見やる。
いつも眠たげな紫の瞳ががこれ以上ないくらいに大きく見開かれたのをチーノは見逃さなかった。
何事かと自分も中庭の方に視線を寄越すと見覚えのあるニット帽。
隣には、いつものあの人ではなく見覚えのない女子生徒。二人で並んでベンチに座る後ろ姿にどうにも違和感が3人の胸の内を襲った。
｢…は、｣
止まっていた呼吸を始めに再開したのはゾムだった。
彼はそのまま猛ダッシュでチーノを追い抜かしぼたぼたと買ったばかりのパンを落としながら廊下を駆け抜けていく。
それにまた呆気に取られるチーノよりも先に我に返ったショッピがその後をゾムに引けを取らない速さで追いかける。
｢ちょっ、まっ、はあああああ！？！？！？｣
一人取り残されたチーノは思わず叫び、彼ら(主にゾム)の落としたパンを拾い集めながら二人の背を追いかけるのだった。
踏んだり蹴ったりな、どうにも運の向かない男であった。
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すず(プロフ) - 更新待っています！夢主さんもチーノも頑張って欲しい！ (2022年12月14日 23時) (
レス) @page23 id: aa81562ec0 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - ちびごん1さん» ちびごん1さんコメントありがとうございます…！のろっのろ更新ですが気長にお待ちいただけると嬉しいです( ; ; ) (2020年11月4日 23時) (レス) id: 97d9ef33fd (このIDを非表示/違反報告)
ちびごん1 - 更新待ってます！夢主ちゃんがんばえ！！ (2020年10月8日 17時) (レス) id: 4fdb0260c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼風 | 作成日時：2018年6月1日 22時
