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Story。5 ページ6

「何をしているのか、と聞いたんだが?」




見上げてみると、そこにはひとりの男の人が立っていた。
前髪が長いからよく顔が見えないけど…この人たちとは違う怖さを感じる…




「は?あんた誰?」


「今いいとこなんだから邪魔すんなよ」


「これ、なんだかわかんだろ?」




そう言ってその人はスーツのポケットから何かを出して見せていた。
逆光で見えないけど…手帳?




「っ、やばいこいつサツだ!」


「おい逃げようぜ!」




手帳を見た瞬間、顔色を変えてふたりは走って逃げた。

どうやらこの人は警察の人らしい。急なことで思考が追いつかず、ぼーっとしていると目の前まで歩いてきた。






「おい、大丈夫か」


『あっ…あの助けて頂いてありが「…A?」

えっ?あ…きゃっ』



急に名前を呼ばれたかと思うと、急に抱きしめられた。

どうして?私この人のこと知らないはずなのに…




「やっと、見つけた」


『え…?…あの、私のこと知ってるんですか…?』


「…俺のこと、覚えてないのか?」




呟くような声でこちらを見るこの人は、一体誰なんだろう。

頭をぐるぐると駆け回るその問いに、ひとつの答えが出た。



『実は私、3年前から記憶を失くしてて…それより前の記憶が全く無いんです』




そう言うと、その人は少し目を見開いた。

驚きの表情を浮かべると、一瞬だけ悲しそうな顔をしたあと先程と同じく無表情に戻ってしまった。




「…そうか。」


『私と会ったことがあるんですか…?』


「あぁ、だが気にするな。

…家まで送る」




私の肩にスーツの上着を羽織らせ、その人は歩き出した。





*





『あ、家はここです』


「親は。」


『両親は3年前に他界してるので…今は一人暮らしです』


「それなら尚更だ。

これからは早く帰るようにしろ。」



そう言ってその人は来た道を歩いていく。

私は気づけば声を出していた。



『あの!待ってください!』


「…?」


『よかったら…ご飯食べませんか?』

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Alice(プロフ) - カイリさん» ありがとうございます!なるべく早く書けるように頑張ります! (2017年8月16日 22時) (レス) id: 9ea760eb42 (このIDを非表示/違反報告)
カイリ(プロフ) - はじめまして、カイリと申します。私には絶対書けない夢主のピュアさが眩しいです笑笑更新頑張ってください!応援してます! (2017年8月15日 9時) (レス) id: c9706cfa40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alice | 作成日時:2017年8月14日 18時

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