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Story。11 ページ12

「てめぇ…なんでここにいる」


「お前に教える必要はない」




昨日は何かが変だった。

Aから何の連絡も入ってなかったことなんて初めてで、…なんとなく嫌な予感がした。


まさか、こいつといたなんてな。



「ふざけんなよ」


「…餓鬼が」




全てを見透かすようなこいつの目が気に入らねぇ。


睨み合っていると、焦ったようにAが間に入ってきた。




『哲くん!飯室さんは私を助けてくれたんです!』


「は?」


『昨日、乱暴されそうになったところを助けてもらって…お礼に夜ご飯をご馳走したんです!』




乱暴されそうになった?



その一言が俺にとっては衝撃だった。


誰だ。誰がお前をそんな目に遭わせた。



「こいつを襲おうとしたのは、矢波高の連中だ」


『飯室さんっ…』


「せいぜい勝手な真似をさせないよう、見張っておくんだな」




そう言ってあいつはAの頭を撫でて去っていった。

あいつは矢波高の奴らだと言った。



俺らに不満を持ってる奴らがいたのは知っていた。

だが、矛先がAに向くなんて思ってもみなかった。



『哲くん、私ほんとに大丈夫です!

なんにもされてないですし、哲くんのせいじゃないですよ!』



…無理してる。こいつは昔から笑顔で嫌なことも、苦しいことも隠そうとする。

そんな風に笑うな。



「A」


『わっ!』



強く抱きしめる。どうしても許せなかった。

何よりも、自分自身が。



「ごめん」


『哲くん…?』


「もうお前に、そんな顔させねぇから」



これ以上情けない顔を見せたくなくて、強引にメットを被せる。


戸惑っているAを無理やり乗せ、ハンドルを切った。

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Alice(プロフ) - カイリさん» ありがとうございます!なるべく早く書けるように頑張ります! (2017年8月16日 22時) (レス) id: 9ea760eb42 (このIDを非表示/違反報告)
カイリ(プロフ) - はじめまして、カイリと申します。私には絶対書けない夢主のピュアさが眩しいです笑笑更新頑張ってください!応援してます! (2017年8月15日 9時) (レス) id: c9706cfa40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alice | 作成日時:2017年8月14日 18時

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