拠り所 ページ8
頭の中が真っ白で何をどうやって戻ってきたのかも覚えてないけど気づけば岸の部屋の前に立っていた
コンコンッと小さくノックすれば
「誰ー?開いてるよー。」と、朝別れたばかりの声がもう懐かしい
「お邪魔します…。」
一応、ルームメイトも居るかもしれないから声をかけてドアを開けると
「あれ?いわげん、どしたの?」
「別に、、」
扉を開けたまま立ち尽くす玄樹に
「入ったら?今、ちょうど俺1人だし。」
中に入っても自分の部屋と全く同じ作り。
去年まで岸以外に友人が皆無だった玄樹は他人の部屋になど立ち入ったことは無くこれが初めてだった
「何かあった?」
「・・・。」
本当は神宮寺の事も野木の事も全部話してしまいたいけどもうルームメイトじゃない岸に泣きついた所で余計な心配を増やしてしまうだけ
「あ〜、はいはい。どうだった?学級長の神宮寺君は?」
玄樹の事を知り尽くしてる岸はそれ以上問いただすこともせずに話を向けてくれる
「知ってた、、俺の病気…。」
「ふーん、、じゃ良かったじゃん。話がはやくて。」
「全然良くないよ…。知られない方が良かった。」
「へぇ、、。」
何故かニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべる岸が気持ち悪くて
「なに?気持ち悪い。」
「いやぁ〜誰に何を思われようが我関せずだったいわげんが知られたくないなんて珍しいな〜と思って」
「別に…っ、ルームメイトとして1年間やって行くのに余計な気を使われたくないだけ!」
「でも神宮寺ならお前の事変な目で見たりしねーんじゃねえ?」
「何でそんな事分かるの、、」
「いや!俺、クラス一緒だったからお前よりも神宮寺と喋ってるし何なら仲良かった方だからね?」
「あっそ、悪かったね。どうせ俺は人間接触嫌悪症ですよ。」
「何だそれ」
「今日、神宮寺に付けられた。俺の病名。」
「すっげー!ドンピシャで当たってんじゃん(笑)ってか、神宮寺っていわげんの事良く見てたんだな。」
「どっ、どうだか、、、」
「まぁまぁ、少なくとも向こうはいわげんの性格を知ってて好意的に接してくれてるんだから無下にするなよ?」
「う、、うん、、」
岸にごもっともなお説教をされれば頷くより他なく、、
「じゃ、飯行くか?」
「行く、、」
岸に促されすっかり夕方になっていた事を知り2人連れ立って寮生達の食堂へ向かった
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夜桜?大西(プロフ) - では、失礼します。続編待ってます。 (2018年8月26日 16時) (レス) id: 54f9fb1507 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜?大西(プロフ) - 私、タクミくんシリーズが大好きでして…、じぐいわも好きなので、この作品を読んでとても感動しました。私的にはとても続編が見たいです。作者さんが、誰を出して、誰を出さないのかもとても気になりますし(笑)……赤池くんが私は好きなので入れて欲しいです(笑) (2018年8月26日 16時) (レス) id: 54f9fb1507 (このIDを非表示/違反報告)
ユー(プロフ) - 続編楽しみにしています! (2018年8月7日 22時) (レス) id: 37f93bd1a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなっつ - 更新楽しみにしてました!終わってしまうの寂しいです。続きが気になるのでぜひ続編期待しています。 (2018年8月7日 7時) (レス) id: 84d6dad1ff (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - あいりんごさん» コメントありがとうございます☆うわぁ〜!タクミくんシリーズがわかる方がいるとは感激です(≧∇≦)人間嫌いのタクミとギイの王子様感がいわちとグウジさんにぴったりだと思ってつい作ってしまいました(〃艸〃)溢れ出るじぐいわ感(笑)を楽しんで頂けれ嬉しいです!! (2018年8月3日 22時) (レス) id: f9db7a188c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alice | 作成日時:2018年7月16日 10時